常盤新平
常盤 新平/1931年-2013年/小説家・翻訳家・エッセイスト
1931年3月1日生まれ、岩手県水沢市(現・岩手県奥州市水沢区)出身。
筆名に大原寿人がある。仙台で幼少期を過ごし、都会への憧れと、父から逃れたい一心で上京し、早稲田大学に進学。在学中にアーウィン・ショーの『夏服を着た女たち』に出会い、ニューヨークに魅了され翻訳家を志した。早川書房入社後、1963年から6年間「エラリィ・クイーンズ・ミステリ・マガジン」編集長を務めた。その後フリーとなり、アメリカの現代文学やニュージャーナリズムの作品を翻訳、いち早く日本に紹介した。1980年代から小説を書き始め、1986年、自伝的小説『遠いアメリカ』で第96回直木三十五賞を受賞。都会の片隅で暮らす人々の心の移ろいや日常の些事を掬い上げるエッセイや小説を多く執筆した。2013年1月22日、肺炎のため町田市内の病院にて81年の生涯を閉じた。
主な作品
- 『夏服を着た女たち』(1984、講談社)
- 『遠いアメリカ』(1986、講談社)
- 『山の上ホテル物語』(2002、白水社)
- 『たまかな暮らし』(2012、白水社)
- 『酒場の風景』(2016、幻戯書房)
資料写真
「遠いアメリカ」原稿と書籍(原稿は2009年に展示のために書いていただいたもの)
居住期間
1984年から亡くなるまでの19年間つくし野に居住した。
町田との関わり
エッセイ「町田 昭和の面影を訪ねて」(「コモ・レ・バ?」第1巻第1号、2009年10月、CONEX ECO Friends)で町田の印象を綴った。
わが家のあるあたりは緑が多い。朝は鳥たちの鳴き声で目がさめる。なぜかアライグマが庭に迷いこんできたこともある。
この家がついの住み家になるのだろう。あとしばらくは町田の街を歩けそうだ。
町田には昭和がまだ色濃く残っている。これが町田の魅力のひとつであろう。ここはつつましい人たちの住むスモール・タウンだ。田舎町であり、同時にしゃれた街でもある。その釣り合いがよい。
――――――――「町田 昭和の面影を訪ねて」より
当館との関わり
- 展覧会
- まちだ作家博覧会 展
会期:2009年4月25日から7月5日
- 常盤新平 ―遠いアメリカ展
会期:2015年1月17日から3月22日
- 刊行物
- 「常盤新平―遠いアメリカ」展additional notes
(2015年、31ページ、会期中無料配布)
注記:掲載している情報につきましては極力調査いたしましたが、お気づきの点がございましたらご連絡ください。
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