森村誠一
森村 誠一/1933年-2023年/小説家
撮影 タカオカ邦彦
1933年1月2日生まれ、埼玉県熊谷町(現・埼玉県熊谷市)出身。
幼少の頃から読書を好み、冒険小説や探偵小説に熱中。1945年、太平洋戦争最後の空襲と言われる熊谷空襲で被災したことが、作家を目指す原体験となった。大学卒業後、ホテルマンとして勤務するかたわらサラリーマン向けのエッセイを執筆。その後、推理小説に挑戦し1969年『高層の死角』で第15回江戸川乱歩賞を受賞した。1973年には『腐蝕の構造』で第26回日本推理作家協会賞を受賞。1976年、角川春樹の依頼で『人間の証明』を刊行し、翌年には映画版が公開され大ヒットとなった。1983年以降は『忠臣蔵』など歴史・時代小説も手掛けたほか、1999年小説家を育成する「山村教室」の名誉塾長に就任。2008年から「新・おくのほそ道写真俳句紀行」をスタートさせるなど幅広い活動を行った。2003年に第7回日本ミステリー文学大賞、2011年に時代小説『悪道』で第45回吉川英治文学賞を受賞。2023年7月24日、90年の生涯を閉じた。
主な作品
- 『高層の死角』(1969、講談社)
- 『人間の証明』(1976、角川書店)
- 『悪魔の飽食』(1981、光文社)
- 『悪道』(2010、講談社)
- 『永遠の詩情』(2019、KADOKAWA)
資料写真
「高層の死角」原稿
使い終わったペン先
居住期間
1991年から亡くなるまで市内に居住した。
町田との関わり
町田市民文学館の設立に際して、開設準備懇談会委員長を務めていただいた。
「開館記念展 ことばの森の住人たち―町田ゆかりの文学者」の図録に巻頭言を寄稿してくださった。
今日の文化には悪い文化もありますが、そもそも文化の精神が、人間が人間らしく生きるための教化と、幸福のための生活の多様化にありました。文化の本来の精神が見失われ、物質文明の発展に偏っている今日、人間の精神的生活を見直す文化の中核である市民文学館の開設が、町田市、および地域社会の発展に計り知れないことは疑いありません。町田市の市民文学館は地域と時代のニーズに応えて登場したといえましょう。市民の皆さんにもできるだけ多く文学館を利用され、我が郷里が培った精神的文化の厚みを共有していただきたいと思います。
――――――――「言葉こそ文化の根源」より
当館との関わり
- 展覧会
- まちだ作家博覧会展
会期:2009年4月25日から7月5日 - 開館3周年記念特別企画展 森村誠一展―拡大する文学
会期:2009年10月17日から2010年1月17日 - 町田市名誉市民表彰記念 森村誠一展(1階文学サロンミニ展示)
会期:2022年4月12日から7月3日 - 森村誠一 追悼ミニ展示(1階文学サロンミニ展示)
会期:2023年7月25日から9月3日
- 刊行物
- 2009年度展覧会図録『森村誠一展―拡大する文学』
(2009年120ページ、有料販売)
- 文庫
- 森村誠一コレクション
関連リンク
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