野田宇太郎
野田 宇太郎/1909年-1984年/詩人・評論家
撮影:五十嵐千彦
1909年10月18日生まれ、福岡県三井郡立石村(現・福岡県小郡市)出身。
福岡県立朝倉中学校(現・福岡県立朝倉高等学校)卒業後、進学のため上京するが病気で学業を断念。久留米市職員時代、同人誌「街路樹」に参加し詩作を始めた。1933年に第1詩集『北の部屋』を刊行。1940年に再び上京し、小山書店などで編集者として活躍。戦時下唯一の文芸誌「文藝」の創刊にも携わった。編集者時代に親しく接した晩年の木下杢太郎を敬慕し、明治末年の文学芸術運動「パンの会」に魅せられ、やがて耽美派文学の研究に力を注いだ。1951年には『新東京文学散歩』がベストセラーとなり、文学散歩のジャンルを確立した。1975年には『日本耽美派文学の誕生』で第26回芸術選奨文部大臣賞(評論等の部門)を受賞。1984年5月に「関東文学散歩」取材のため栃木県那須郡塩原を訪れたのが、34年間、延べ十数万キロに及ぶ文学散歩の最後となる。同年7月20日、心筋梗塞のため75年の生涯を閉じた。法名は「文学院散歩居士」。
主な作品
- 『すみれうた』(1946、新紀元社)
- 『新東京文学散歩』(1953、角川書店)
- 『灰の季節』(1958、修道社)
- 『パンの会』(1975、河出書房新社)
- 『定本 野田宇太郎全詩集』(1982、蒼土舎)
資料写真
「『日本耽美派文学の誕生』周辺」原稿
色紙「身をもって眠れる樹を」
居住期間
1973年から1983年まで図師町に居住した。
町田との関わり
「町田ペンの会」を結成し初代会長に就任するなど、地域の文化・文芸の発展に尽力した。
町田ペンの会ができた以上、それをよりよいものに育てねばならぬのはいうまでもない。しかしわたくしの願いは、瑣末的な理屈っぽい議論の場などではなく、いつものんびりとした美と自由のサロンでありたいことである。そういう雰囲気からこそ叡知も実を結び真の勇気も正義も、生れる筈だからである。
――――――――「町田ペン」第5号「寸言」より
当館との関わり
- 展覧会
- 開館記念展 ことばの森の住人たち―町田ゆかりの文学者
会期:2006年10月27日から2007年3月4日 - 「ことばの森の住人たち―町田ゆかりの文学者」展
会期:2010年1月31日から3月28日 - 開館10周年記念 野田宇太郎散歩の愉しみ―〈パンの会〉から文学散歩まで―展
会期:2017年1月21日から3月20日 - 刊行物
- 2006年度展覧会図録『ことばの森の住人たち―町田ゆかりの文学者』
(2006年96ページ、有料販売) - 2016年度展覧会リーフレット『開館10周年記念 野田宇太郎散歩の愉しみ―〈パンの会〉から文学散歩まで―展』
(2017年30ページ、販売終了)
注記:掲載している情報につきましては極力調査いたしましたが、お気づきの点がございましたらご連絡ください。
関連リンク
このページの担当課へのお問い合わせ
町田市民文学館ことばらんど
電話:042-739-3420
ファックス:042-739-3421