日影丈吉
日影 丈吉/1908年-1991年/小説家
1908年6月12日生まれ、東京府東京市深川区木場町(現・東京都江東区木場)出身。
本名・片岡十一。アテネ・フランセで知り合った坂口安吾らと同人誌「言葉」を創刊。卒業後は語学力を生かして「料理文化アカデミー・仏語部」を開講、仏語原書の翻訳により調理師の指導にあたった。1949年にミステリ雑誌「宝石」の懸賞小説短篇部門の二席となったデビュー作「かむなぎうた」は、江戸川乱歩をして「殆ど完璧の作品」と言わしめ、折口信夫に絶賛された。その後、ミステリの分野で多くの著作を発表するほか、フランスの探偵小説や怪奇幻想小説の翻訳も手がけ、その作風は次第に幻想的な色合いを強めた。1956年に「狐の鶏」で第9回日本探偵作家クラブ賞、1990年に『泥汽車』で第18回泉鏡花文学賞を受賞。1991年9月22日、心不全のため83年の生涯を閉じた。
主な作品
- 『内部の真実』(1959、講談社)
- 『幻想博物誌』(1974、学芸書林)
- 『名探偵WHO’S WHO』(1977、朝日新聞社)
- 『日影丈吉傑作選1 かむなぎうた』(1978、社会思想社)
- 『ハイカラ右京探偵暦』(1978、社会思想社)
資料写真
「物忘れ」原稿
愛用の品々
居住期間
1973年から亡くなるまで原町田に居住した。
町田との関わり
「広報まちだ」1975年4月1日号にエッセイを寄稿している。
グアムやハワイもいいが、見栄やカッコよさを必要としなければ、町田の商店街を通っている鎌倉街道をすこし遠くまで歩いてみても、見るものはあるし、必ず何かの収穫はある。金がかからないから、すくなくとも損はしない。いまのような先細りの心細い時代は、身ぢかな生活のよさを見つけるのに、いい機会だが、自分の家の近所を歩いてみるのも、ひとつの方法である。たいした労力はいらないし、余所行きの観光旅行などよりも、身につく発見をすることが多いものだ。
――――――――「コミュニティと文学」より
当館との関わり
- 展覧会
- 開館記念展 ことばの森の住人たち―町田ゆかりの文学者
会期:2006年10月27日から2007年3月4日 - ことばの森の住人たち―町田ゆかりの文学者 展
会期:2010年1月31日から3月28日 - 没後25年 日影丈吉と雑誌『宝石』の作家たち-日影丈吉・江戸川乱歩・横溝正史・城昌幸・山田風太郎-展
会期:2015年10月17日から12月20日 - 刊行物
- 2006年度展覧会図録『ことばの森の住人たち―町田ゆかりの文学者』
(2006年96ページ、有料販売) - 2015年度展覧会図録『没後25年 日影丈吉と雑誌『宝石』の作家たち-日影丈吉・江戸川乱歩・横溝正史・城昌幸・山田風太郎-展』
(2015年63ページ、有料販売)
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