目黒考二/北上次郎/藤代三郎
目黒 考二/1946年-2023年/エッセイスト・文芸評論家・編集者
1946年10月9日生まれ、東京都豊島区出身。
中学3年生の時に松本清張の「点と線」に出会って本の面白さに目覚める。大学卒業後に就職した会社は、本好きが高じて3日で辞職。再就職を繰り返すも長続きはしなかった。その間に椎名誠、沢野ひとし等と知り合い、椎名に書き送った“読書感想手紙”「SF通信」が発端となって「本の雑誌」を創刊。同誌は従来の書評誌とは異なり、エンターテイメント中心の内容や独自の企画で好評を博している。1976年の創刊以来、2001年まで発行人を、2011年まで顧問を務めた。主に3つの筆名を使い、“目黒考二”で私小説風エッセイを、“北上次郎”で文芸評論を、“藤代三郎”で競馬エッセイを執筆。群一郎としても執筆し、本の雑誌社に在籍していた群ようこのデビューの際「群」の苗字を贈った。1994年に評論『冒険小説論――近代ヒーロー像100年の変遷』で第47回日本推理作家協会賞を受賞。「酒と家庭は読書の敵」が持論。2023年1月19日、肺がんのため76年の生涯を閉じた。
主な作品
- 『冒険小説論――近代ヒーロー像100年の変遷』(1993、早川書房)注記:北上次郎名義
- 『外れ馬券に雨が降る』(1995、ミデアム出版)注記:藤代三郎名義
- 『笹塚日記』(2000、本の雑誌社)
- 『読むのが怖い!2000年代のエンタメ本200冊徹底ガイド』(2005、ロッキング・オン)注記:北上次郎名義、大森望との共著
- 『本の雑誌風雲録(新装改訂版)』(2008、本の雑誌社)
資料写真
「冒険小説論」原稿(北上次郎名義)※2009年に展示のために書いていただいたもの
居住期間
1982年から在住。
町田との関わり
私は都内の道に異常に詳しい。十数年、車に乗って仕事をしていたので、免許も持っていないというのに、裏道、近道、車線変更等にいまでも詳しいのである。(略)
ずいぶん前、新横浜から町田の自宅までタクシーに乗ったとき、私のまったく知らない道を走りだしたので驚いたことがある。この運転手はどこに向かっているのか、と不思議に思って外の景色を見ていると、しばらく走ってからようやく私の知っている道に出た。へー、こんなところに出る道があったのか、と感心してしまったが、たぶんそれが表情に出てしまったのだろう。「知りませんでした?この道」運転手は自慢そうに振り返ったものだ。
――――――――「深夜の車」(『記憶の放物線』)より
当館との関わり
- 展覧会
- まちだ作家博覧会展
会期:2009年4月25日から7月5日 - 「本の雑誌」厄よけ展―オモシロ本を求めて42年
会期:2017年4月22日から6月25日
関連リンク
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