沢野ひとし
沢野 ひとし/1944年-/イラストレーター・エッセイスト
1944年12月18日生まれ、愛知県名古屋市出身。
高校時代からの友人・椎名誠の勧めで雑誌の挿絵を描き始める。こぐま社に15年勤務した後、独立。椎名の著書をはじめとして数多くの挿絵を手掛けるほか、椎名、目黒考二らが創刊した書評誌「本の雑誌」では、創刊号から表紙と本文イラストを一人で担当。「ヘタウマ絵」と呼ばれる独特の描線や色彩、特徴的な「ワニ眼」で人気を博す。登山愛好家で、山に関するエッセイも多い。1991年に『猫舐祭』で第22回講談社出版文化賞さし絵賞を受賞。原作を描いた短編アニメ映画『スイカを買った』がある。
主な作品
- 『ワニ眼物語』(1983、本の雑誌社)
- 『みんななにがすき?』(絵本)(2001、福音館書店)
- 『花の雲』(小説)(2003、文藝春秋社)
- 『山の帰り道』(2011、本の雑誌社)
- 『ジジイの片づけ』(2020、集英社)
資料写真
「いつも多摩丘陵を描きたいと願いつつ」原稿(2009年に展示のため書いていただいたエッセイ)
居住期間
1970年から在住。
町田との関わり
エッセイ『山の帰り道』で町田で過ごす休日を綴った。
この七国山一帯が、私の休日の散歩コースである。…まずは町田ダリア園を見てから七国山をめざす。鎌倉井戸は何百回と見たが、見るたびに立ち止まる。案内板を読み「ここが幻の古道か」と腕を組んで、鬱蒼とした木立に囲まれた薄暗い小径に軍馬の蹄を追う。こころみ農園、町田ぼたん園、野菜が安い七国ファーマーズセンター、民権の森、ふるさと農具館、町田フォトサロン(秋山庄太郎美術館)、薬師池、町田リス園など、一日中歩くとかなり疲れ、団地の近くの飲み屋で一杯酒を飲むころには、とっぷり日も暮れている。散歩の途中で寄りたい場所があまりにも多いのだ。/そして町田といえば馬肉料理「柿島屋」が有名である。創業が明治十七年というから古い。…この店に私も三十数年休むことなく通い続けているが、いつも「うまくて安くて早い」とうなずいている。…町田を訪れた友達を柿島屋に連れていくと、きまって満足して帰っていく。私は町田から丘陵と柿島屋が消えたらすぐさま引っ越すつもりである。
――――――――『山の帰り道』より
当館との関わり
- 展覧会
- まちだ作家博覧会展
会期:2009年4月25日から7月5日 - 本の雑誌 厄除け展
会期:2017年4月22日から6月25日
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