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疥癬(かいせん)

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更新日:2025年9月1日

疥癬かいせんってどんな病気?

疥癬かいせんは、ダニの一種である「ヒゼンダニ」が皮膚に寄生し、人から人へ感染する皮膚の病気です。
疥癬には「通常疥癬」と「角化型疥癬」の2つのタイプがあり、症状や対応方法が異なります。

通常疥癬と角化型疥癬の比較
  通常疥癬 角化型疥癬
ヒゼンダニの数 数十匹以下 100万~200万匹
患者の免疫力 正常 低下している
感染させる力 弱い 非常に強い
潜伏期間 約1か月 約1週間
主な症状 赤いブツブツ、疥癬トンネル 角質の増殖、全身の紅斑
かゆみの強さ 強い 人により異なる
症状が出る部位 顔や頭を除いた全身 全身

症状について

通常疥癬

特徴的な皮疹は、疥癬トンネル(曲がりくねった線状疹)です。
手のひら、指の間や指の側面などによくみられます。
丘疹(赤いブツブツ)は、お腹や胸、足や腕などにみられ、激しいかゆみを伴います。
男性の外陰部には数ミリメートルのしこり(結節)がみられます。

角化型疥癬

灰色から黄白色でざらざらと厚く蛎殻のように重積した角質が、手足やおしり、肘や膝などにみられます。
またその症状は、爪にもみられることがあります。
かゆみは人によって異なり、全くかゆみのない場合もあります。

感染経路について

人の皮膚と皮膚が接触することが、主な感染経路です。

通常疥癬

長い時間、皮膚と皮膚が直接触れることで感染します。短時間触れる程度であれば、感染することはほとんどありません。
まれに、患者が使用した寝具や衣類等を交換せずに他の人が使用することで感染することもあります。

角化型疥癬

感染力が非常に強いため、短時間の接触や、寝具や衣類等を介した間接的な接触でも感染します。
また、落屑(はがれ落ちた皮膚のかけら)には多数のヒゼンダニがいるため、集団発生の感染源になります。

治療ついて

通常疥癬と角化型疥癬のどちらも、内服薬と外用薬での治療をします。

対策のポイント

日頃より皮膚の観察を行い、早期発見につなげることが大切です。
特に高齢者施設における新規サービス利用者には、疥癬を考慮して皮膚の状態を観察し、皮疹のある場合は皮膚科を受診しましょう。
また、疥癬はアルコールでは消毒できません。ケアの後や区切りの場面(排泄後・食前後等)で必ず手洗いをしましょう。

通常疥癬

  • 長時間、肌と肌が直接触れないよう注意しましょう
  • 同室で布団を並べて寝ないようにしましょう。
  • タオルなど肌に直接触れるものを一緒に使わないようにしましょう。

角化型疥癬

  • 1~2週間の個室管理とし、患者さんの使うものは専用にしましょう。
  • 感染力が強いので、患者さんに接するときは手袋やガウンを着用しましょう。
  • 落屑(はがれ落ちた皮膚のかけら)が飛び散らないように、衣類やおむつはポリ袋に入れて運びましょう。
  • 洗濯物は、熱処理(50度以上のお湯に10分間以上浸す)後に洗濯をするか、殺虫剤散布後に洗濯をしましょう。
  • お部屋の掃除機をかける前に、粘着シートで落屑を取り除くようにしましょう。また、個室管理開始時と個室管理終了時には部屋に殺虫剤を噴霧しましょう。

対応方法の詳細については、以下のリンクをご覧ください。

東京都多摩立川保健所作成の疥癬対応マニュアルです。
疥癬の概要から集団発生時の対応まで詳しく書かれています。