梅毒
梅毒の報告数が急増しています
2023年における東京都における患者報告数は、感染症法に基づく調査が開始されて以来、最も多い3,701人でした。
特に女性は20歳代、男性は20歳代~50歳代で増えています。
梅毒ってどんな病気?
梅毒は、性的な接触で起こる性感染症です。梅毒トレポネーマという病原体が原因で起こります。
感染からの経過期間によって様々な症状が出ますが、時に無症状で進行します。治療をせずに放置をすると、脳や眼、心臓に合併症を起こし、失明したり認知症のような症状が出ることがあります。
また妊婦が梅毒に感染をすると胎盤を通して胎児に感染をすることがあります。
無症状であっても他者にうつしてしまう可能性があるため、検査・治療が大切です。
症状について
次のような症状の経過を辿りますが、感染しても症状が出ないことがあるため、感染しているかどうかは検査を受けないとわかりません。
第1期
感染後、約3週間から3か月の時期です。感染した部位(性器、肛門、口など)に、しこりなどが現れます。治療しなくても数週間で症状は消えますが、梅毒トレポネーマは体内に残っています。
第2期
感染後、約3か月から3年の時期です。手のひらや足の裏から全身にかけて、発疹が広がります。発疹は、治療しなくても数週間から数か月で消失します。発疹以外にも、発熱、倦怠感、関節痛などの症状が出現する場合があります。症状が消えても、梅毒トレポネーマは体内に残っています。
第3期
感染後、約3年から10年の時期です。皮膚や筋肉、骨などに腫瘍が発生します。現在では、このような症例は稀です。
第4期
感染後、約10年以降の時期です。心臓、血管、神経など、多くの臓器に異常が現れます。現在では稀ですが、時に死亡に至ることがあります。
感染経路について
○梅毒トレポネーマに感染した人との性的接触により感染します。粘膜や皮膚の接触時に、梅毒トレポネーマが粘膜や皮膚の小さな傷から感染します。膣性交や肛門性交だけでなく、口腔性交(オーラルセックス)でも感染します。
○妊娠中に梅毒トレポネーマに感染すると、胎盤を通じて、胎児(お腹の中の赤ちゃん)に梅毒トレポネーマが感染する可能性があります。
妊娠と梅毒について(先天梅毒について)
○妊娠中に梅毒トレポネーマに感染すると、胎児に感染してしまうことがあります。胎児に感染すると、死産や流産に至ったりすることがあります。また、生まれてきた子どもに、梅毒トレポネーマの感染による症状が見られることがあります。生まれてきた子どもへの症状の現れ方としては、出生後まもなく症状が現れることもあれば、子どもが大きくなってから症状が出てくることもあります。これらを、先天梅毒といいます。
○初期の妊婦健診では梅毒の検査が行われますが、健診後に感染することもあります。
感染予防や治療について
○性的接触時に、粘膜や皮膚が直接触れないようにコンドームを使用することは感染予防として有効です。ただし、コンドームで覆われていない部分の皮膚などでも感染する可能性があるため、コンドームを使用しても感染を完全に防止できるとは限りません。
○梅毒は、症状が無くても感染している場合があります。そのため感染しているかは検査をしないと分かりません。感染のリスクを伴う行為があった場合や心配な場合には、検査を受けることが大切です。
○感染した場合には抗菌薬での治療が有効です。しかし病原体を死滅させることはできても、臓器などに障害が生じていた場合にはもとに戻すことはできないため早期の治療が大切です。
〇梅毒には予防接種はありません。また、梅藤に感染しても免疫はできないため、一旦治療をしても再び感染する恐れがあります。パートナーが既に感染していた場合には、再び感染をしてしまう可能性があるため、パートナーも一緒に検査や治療を受けることが大切です。
検査について
○梅毒の感染の有無は、検査をしないと分かりません。保健所等では、無料・匿名で検査を受けることができます。
注記:医療機関で検査を受ける場合は、医療機関ごとに費用や受診方法が異なります。
梅毒を含め、HIV/エイズ・性感染症の検査・相談については、こちらをご参照ください。
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