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令和8年度(2026年度)施政方針
令和8年(2026年)第2回市議会定例会が開会され、稲垣市長は6月1日の本会議で施政方針を表明しました。ここでは、その全文を掲載します。
はじめに
令和8年第2回町田市議会定例会の開会にあたり、令和8年度の施政方針を申し述べさせていただきます。
議員各位並びに市民の皆さまのご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
2026年度の市政運営の視点
まず、市政を取り巻く状況について、私の認識をお話しします。
長期化するロシアによるウクライナ侵攻や、2026年に入って勃発した、アメリカ・イスラエルとイランの間での戦争などにより、国際社会の緊張の高まりや、不安定な世界経済動向が続いています。社会情勢の不透明さが招く、断続的な物価高騰は、経済活動や市民生活、行政運営など、多方面に大きな影響を与え続けています。
人口の動向に目を向けますと、国全体で進んでおります、少子化・高齢化に伴う生産年齢人口の減少は、2030年代にはさらに加速することが見込まれており、それに起因する各業界における人手不足の状況は、町田市においても例外ではございません。現在でも、物流・運輸分野や、医療・介護分野における人手不足は、市民の暮らしに直結するサービスの供給量の低下につながっており、今後もその影響が続くことが懸念されます。
一方で、AI技術は目覚ましい進歩を続けており、一般的に「シンギュラリティ」と呼ばれる、AIが人間の知能を凌駕することによる、人間の理解や予測を超えた技術的変革が起きると言われております。生成AIは、さまざまなインターネットサービスに使われるなど、すでに身近な存在となっています。この生成AIをこれまで以上に活用することで、行政サービスを変革し、利便性を高めるとともに、より一層の効率化を図る必要がございます。
市を取り巻く明るい話題としましては、2026年に入ってから、FC町田ゼルビアのAFCチャンピオンズリーグエリートでの準優勝や、ASVペスカドーラ町田のJFA全日本フットサル選手権大会優勝など、ホームタウンチームの活躍で、町田の名前が全国、そして世界に広まっています。
今後も、隣接する横浜市で「2027年国際園芸博覧会」のような大規模イベントが開催されるなど、町田市のことを数多くの方に知っていただけるチャンスを捉え、町田市への来訪者を積極的に増やし、さらなるまちの賑わいの創出につなげていくことが重要だと認識しております。
町田市は、古くから絹の道を通じて人々が行き交い、1908年に現在のJR横浜線が、1927年には小田急線が開通したことも追い風に、「商都・町田」としてこれまで発展を遂げてまいりました。現在も、町田駅をはじめとする鉄道駅の周辺にはさまざまな店舗が集積しており、商業の賑わいとみどり豊かな自然を併せ持つ、魅力的なまちを形成しております。
1950年代以降、郊外化の加速によって、町田市では団地の整備を含めた住宅地の急速な拡大が進み、その後も都心への良好なアクセスを強みに、数多くの方に住む場所として選ばれ続けてまいりました。特に近年は、「子どもにやさしいまちづくり」の推進によって、年少人口の転入超過数は全国でもトップクラスの年が続き、2025年は政令市を含む全国1位に初めて輝くなど、子育て世帯に選ばれるまちとしての地位を確立しております。
一方で、周辺都市においても大型商業施設の開業や駅前の開発が進んでおり、商業の賑わいを中心として人々を惹きつけてきた町田市の優位性は薄れつつあります。市の人口も、現在は43万人を維持しておりますが、今後は減少幅が拡大していくことが見込まれております。さらに、町内会・自治会の加入率の低下をはじめ、地域で活動する人の減少が続き、住みよい地域コミュニティを形成していくための具体的な行動を起こしていく「地域力」も弱まってきております。
このように、人口が減少していく時代においても、町田市の強みを活かしながら、持続可能なまちを構築していくために、私がかねてより申し上げております「三位一体の改革」の3つの柱である、「市民の健康」「教育の推進」「地域の活力」について、これから示す方向性に沿いながら、まちづくりを推進してまいります。
まずは、「市民の健康」についてでございます。まちの活力のためには、市民が元気で安心して暮らせることが重要であると考えております。喫緊の課題であります、市民が安心して頼れる市民病院の実現に取り組むとともに、高齢の方がいつまでも自分らしく健康に過ごせるよう、地域全体での高齢者の見守り機能を充実させるなど、市民の皆さまがいきいきと暮らせる環境づくりに努めてまいります。
次に、「教育の推進」についてでございます。これからのまちづくりにおいては、子どもたちの成長を地域で支えながら、町田の将来を創っていく子どもたちや、若い人たちにまちの魅力を感じてもらうことが非常に重要だと考えております。特に、子どもたちには、知識を身に付けることに加え、互いの個性を認め合い、他者への共感を深める学びを通じて、豊かな心を育んでほしいと願っています。変化が激しく、未来が見通せない時代だからこそ、古くから大切にされてきた、「人を思いやり、礼節を重んじる」という教育の精神に立ち返ることが必要です。こうした普遍的な心のあり方を「まちだフィロソフィー」として掲げ、このフィロソフィーに基づき、子どもたちの成長を育みながら、インクルーシブな社会をつくってまいります。
最後に、「地域の活力」についてでございます。市内の鉄道駅周辺では、まちが更新の時期を迎えています。特に、町田駅周辺においては、このまちのリニューアルのタイミングを捉え、魅力的な、稼げる中心市街地に転換していくことが重要でございます。中心市街地の賑わいを市全体に波及させるとともに、各地域が持つ魅力を最大限に引き出し、賑わいがあふれる、何度でも訪れたくなるまちづくりを推進してまいります。
これらのまちづくりを推進していくにあたっての姿勢としては、常に市民の目線で、市民の声をよく聞くことが、最も大切だと考えております。「三位一体の改革」に基づく取組を進めて行く中で、市民の皆さまの想いを真摯にしっかりと受け止めながら、より一層、町田市の魅力を高めてまいります。
そして、数多くの市民の皆さまとの対話を積み重ねて策定された、「まちだ未来づくりビジョン2040」が目指す「なりたいまちの姿」や、全国に先駆けて取り組んできた行政経営の取組を着実に引き継ぎながら、市民の皆さまが「誇れるまちだ」を実現してまいります。
2026年度の主要な施策
それでは、2026年度の主要な施策について、「まちだ未来づくりビジョン2040」に掲げる3つの「なりたいまちの姿」ごとに、ご説明いたします。
ここでの成長がカタチになるまち
1つ目は、“子ども”がキーワードの「ここでの成長がカタチになるまち」についてでございます。
子どもにやさしいまちは、高齢者や障がい者など、誰にとってもやさしいまちでございます。この考えに基づき、子どもに関連する取組をさらに推進するとともに、多様な教育を通じて、誰一人取り残さない共生社会を実現してまいります。
町田市で子どもを産み育てていきたいと思っていただくためには、子育て世帯の方が安心できる、子どもの成長に合わせた、切れ目のない支援体制が必要だと考えております。
多くの子育て世帯の方から選ばれるまちであることを背景に、保育ニーズが増え続けていることへの対応として、2026年4月に認可保育所1園を新たに開園しました。一方で、同じく今年4月の保育所等への新規入所の申込者数は前年度を上回り、特に町田、鶴川、南地域においては、1歳児の待機児童が多く生じました。そこで、既存の保育施設の空きスペースを活用し、待機児童の多い1歳児を受け入れる事業者に対し、運営費の補助を実施いたします。併せて、特にニーズが高い南地域においては、新たな小規模保育事業所の設置を目指すとともに、認可保育所の整備の検討を進めてまいります。
また、保護者の多様な働き方やライフスタイルに対応し、乳幼児期におけるすべての子どもの育ちを支援するための施策としては、未就園児預かり推進事業、いわゆる「こども誰でも通園制度」を本格実施いたします。これまでに、モデル事業として市内8園で実施しておりましたが、国の制度の本格実施と合わせまして、2026年度からは実施園を11園とし、より多くの方にとって身近で利用しやすく、きめ細やかなサービスを提供してまいります。
そして、子育て家庭の経済的負担の軽減を図る取組の一つとして、生後6ヶ月から13歳未満の子どもを対象に、東京都の補助も活用しながら、インフルエンザワクチンの接種費用の一部助成を、2026年の秋から新たに開始いたします。
また、近年、共働き世帯の増加に伴い、保育園から小学校に上がることで仕事と子育ての両立が難しくなる、いわゆる「朝の小1の壁」が大きな社会課題となっております。この課題への対応として、小学校全校に朝の見守り員を配置し、子どもたちが安心して過ごせる朝の居場所づくりに取り組みます。
地域の子どもの居場所づくりとしては、これまで、子どもたちが徒歩で通える場所に、小型の児童館である子どもクラブの整備を進めてまいりました。今年3月25日には、市内8館目となる「成瀬子どもクラブ なるるん」がオープンいたしました。春休みには、1日あたり約200名の方にご利用いただき、さっそく地域の皆さまに愛される施設となっております。2026年度は、金井遊歩公園の隣接地に整備する市内9館目の子どもクラブ、「(仮称)金井・薬師子どもクラブ」の実施設計を進め、2028年度の開館を目指してまいります。
子育てを総合的にサポートする施設としては、旧教育センター用地を活用し、子ども家庭センターや教育センター、都立児童相談所などを複合化する、「(仮称)子ども・子育てサポート等複合施設」の整備を進めております。妊娠期から子どもが18歳になるまでの切れ目のない支援の実現のため、2030年度のオープンに向けて、2026年度は実施設計を進めてまいります。
子どもたちがのびのびと健やかに成長するためには、子どもたちがさまざまな経験やチャレンジができる機会を創出すること、そして、その自由で柔軟な発想を受け入れる環境が子どもたちの周りにあることが大切です。
2026年度は、子どもや若者のやりたいことを市が後押しし、実現する、「まちだ若者大作戦」を、引き続き実施いたします。この大作戦により、子どもや若者が町田市のまちづくりに参画し、仲間たちや地域の大人とのコミュニケーションを積み重ねながら、自らの想いを実現するという経験を通して、地域への愛着を育み、自らが成長していくための土台が形作られるものと信じております。
また、生涯学習センターにおいては、大学生をはじめとする若者が、同世代の興味関心が高い講座を企画・実施する取組が、2026年度から新たに始まっております。市の事業に若者の感性やニーズを反映させるとともに、企画する若者にとっても豊かな経験となるよう、双方向のコミュニケーションを大切にしながら、取組を育ててまいります。
総合的な「子どもにやさしいまちづくり」を町田市として推進するため、今年1月には子ども・子育て庁内推進会議を設置しております。この組織において、子ども関連の部署のみならず、市の各部署の取組に子どもたちの視点を取り入れながら、子どもたちのために何ができるかを、市全体で常に考えてまいります。
学校教育の環境においては、2026年4月に鶴川第三小学校と鶴川第四小学校が統合し、新たに鶴川中央小学校が開校いたしました。学校統合につきましては、学校規模の適正化や学校施設の老朽化などの課題にしっかりと対応しながら、子どもたちに良好な教育を提供していくために、非常に重要な取組でございます。
そのため、今後もそれぞれの地区において、地域の皆さまとの対話を重ねながら、新たな学校づくりの取組を推進してまいります。
その中で、学校統合に伴い通学距離が長くなる児童・生徒などへの対応についても、通学負担の軽減に取り組んでまいります。
さらに、学校を地域の活動拠点とする地域活用型学校の実現に向けた取組や、2028年3月末に閉校を予定している町田第三小学校をはじめとする学校跡地の活用についても、関係する皆さまと密に意見を交換しながら、丁寧に検討を進めてまいります。
また、近年、増加傾向が続いていた不登校の児童・生徒数は、減少の兆しが見られるものの依然として高い水準にあり、多くの子どもたちが支援を必要とする状況にあります。そのような子どもたちが、教育の機会を逸することがないよう、現在、中学生を対象とした町田市立山崎中学校学びの多様化学校分教室「ゆめのき」を、教育センターに設置しております。今後、新設校舎へ移転する成瀬小学校の旧校舎を活用し、小学生も対象とした本校型の学びの多様化学校の整備を予定しており、2029年度の開校を目指し、2026年度は基本計画を策定してまいります。
わたしの“ココチよさ”がかなうまち
続いて、なりたいまちの姿の2つ目は、“くらし”がキーワードの「わたしの“ココチよさ”がかなうまち」についてでございます。
時間や場所にとらわれないライフスタイルが前提の時代において、町田市が生活の拠点として選ばれていくためには、常に人を惹きつけるまちである必要があります。都市機能と自然環境が共存した「ちょうどよさ」を感じられる町田市は、職住近接に暮らしの楽しさをプラスした、ポテンシャルの高いまちだと考えております。
私が「三位一体の改革」を通じて申し上げております、「地域の活力」を高めていくためには、賑わいと交流が生まれる中心市街地が不可欠でございます。
市が都市基盤の整備を進めながら町田駅周辺の魅力を向上させ、民間投資を促すことで、官民が連携して“稼げる”中心市街地を形成していくことを目指し、2026年度も再開発などの検討を引き続き進めてまいります。特に、リーディングエリアとして位置付けているD地区においては、道路などの地区へのアクセスの具体化や、音楽・演劇を中心として、スポーツやイベントなども多目的に楽しめる集客機能の検討など、地権者の皆さまも交えながらまちづくりの検討を深めてまいります。
また、今後、各地区のまちづくりが進展する中で、将来的に開発が重なり財政負担が集中する時期に備え、新たに基金を設立いたします。先を見据えた計画的な積み立てを行うことで、市民サービスを低下させることなく、大規模なまちづくりに対応してまいります。
ハード面での整備と並行し、まちの魅力を高めるためには、中心市街地で買い物や食事を安全安心に楽しむことが出来る環境づくりが大切です。町田駅周辺の治安面における課題としてしばしば取り上げられる、不快な客引き行為やつきまとい行為を規制するための条例制定に向け、具体的な検討を開始しており、今後、地権者や商業事業者の皆さまからの意見もお伺いしながら進めてまいります。
中心市街地は、賑わいや交流の創出とともに、地域経済の活性化においても重要な役割を果たすエリアでございます。特に、まちの更新のタイミングは、企業に町田市をビジネスの場として選んでいただくための、またとないチャンスとなります。今後の開発を進めて行く中で、民間事業者とも連携しながら、企業の立地を促進する取組についても検討を重ね、将来的な税収の増加につなげていきたいと考えております。
また、中心市街地には、町田商工会議所や町田新産業創造センター、数多くの金融機関など、事業者を支援する機関が集積しております。近い距離で、各支援機関と市が緊密に連携し合えるという強みを活かしながら、「チャレンジするならTOKYOの町田から!」を合言葉に、市内での起業・創業の促進や、事業を次世代につなぐための事業承継の推進に取り組み、より多くの働く場を確保してまいります。
市全体での賑わいを創出していくためには、町田駅のみならず、各鉄道駅から町田市内に回遊していただけるよう、「ワクワクが生まれる」まちづくりを推進していく必要がございます。
東の玄関口である鶴川駅周辺では、慢性的な道路渋滞の緩和や、利便性の向上を目指した再整備が順調に進んでおります。2026年度も引き続き、北口交通広場や南北自由通路、南口アクセス道路の整備を着実に推進するとともに、小田急電鉄株式会社と連携した駅の改良にもしっかりと取り組んでまいります。
西の相原駅においても、東京都による大戸踏切の立体交差事業と合わせて、地域の日常生活を支える拠点を目指したまちづくりを進めております。2026年度も、東口アクセス路をはじめとした道路整備を進めるとともに、東口・西口において地域の皆さまとしっかりと連携しながら、活気のある市街地づくりを推進してまいります。
さらに、多摩地域を南北につなぐ多摩都市モノレール町田方面延伸は、広域的な移動と市内の移動の利便性を高める基幹交通となるとともに、沿線のまちの魅力向上や活性化を一層進めるためのまちづくりの契機となる、極めて重要な取組です。2026年度も、東京都や多摩市などと連携し、早期の延伸実現に向けた検討を着実に進めるとともに、沿線の中心市街地や木曽山崎団地地区でのまちづくり、公園整備などのまちの魅力向上に、重点的に取り組んでまいります。
また、将来を見据えた多摩都市モノレール町田方面延伸の検討と同時に、運転士不足を要因とした路線バスの減便など、目の前の交通に関する課題についてもしっかりと対応していくために、市の交通施策の実行計画となる「(仮称)町田市地域公共交通計画」を、市民や交通事業者と連携しながら2026年度中に策定し、移動しやすい環境づくりに取り組んでまいります。
鉄道駅周辺の賑わいとともに、町田市が多くの人を惹きつけるもう一つの大きな魅力として、みどり豊かな自然がございます。市内にあります大規模公園や、市北部に広がる里山に代表されるこの豊かな自然を活かし、今後も多くの方に町田のファンになっていただきたいと考えております。
町田薬師池公園四季彩の杜においては、自然の美しさや豊かさを感じながら、都会の喧騒を忘れられる空間を目指して整備を進めており、2026年度は、北園の整備推進に向けて用地を取得してまいります。
野津田公園スポーツの森においては、スケートボードやBMXなどのニュースポーツを楽しめる、スケートパークの2028年度オープンに向け、整備工事に着手いたします。
芹ヶ谷公園“芸術の杜”においては、子どもも大人も学び、楽しみながら、町田らしい多様なアートやカルチャーに親しめる体験型の公園を目指し、“フューチャー・パーク・ラボ”などの機運醸成の取組を引き続き実施してまいります。整備については、本年第1回定例会の際に申し上げましたとおり、より実現性の高い事業計画に見直すため、「芹ヶ谷公園“芸術の杜”を語る集い」を開催し、皆さまの声をお伺いするところからスタートしております。今後も、市民ワークショップなどを通じて、多くの皆さまから幅広く声をいただいてまいります。
忠生スポーツ公園は、広々とした芝生広場や、大型の遊具などを備えたエリアが2023年に先行オープンして以来、夕方まで子どもたちの声があふれる、地域の皆さまにとって、なくてはならない場所となっております。2026年度からは、峠谷地区・旧埋立地地区の、公園整備に向けた都市計画決定手続きを行うとともに、一般廃棄物の最終処分場上部に公園を整備するために必要となる、安全対策工事を進めてまいります。
町田ならではの「新しい里山づくり」に向けては、町田市の大きな特色でもある、身近に訪れることのできる里山環境の価値をさらに高めてまいります。2026年度は、事業連携協定を締結している学校法人玉川学園と市内の樹木の活用などに関する共同研究を行うとともに、里山エリアの回遊性向上を目指し、地域の皆さまをはじめとして、木工やアクティビティ、飲食などの事業者の方々とともに、実証実験イベントを実施いたします。
みどりや里山といった、町田市の価値ある資源を次世代へと引き継いでいくためには、自然環境の保全が欠かせません。環境先進都市「ゼロカーボンシティまちだ」の実現に向けた取組の一つとして、2026年度から市内全域での容器包装プラスチックの分別収集を開始し、市民の皆さまにも多くのご協力をいただいているところでございます。今後も、この取組をより効果的なものとすることを目指し、市全体の分別協力率の向上に向け、引き続きのご協力をよろしくお願い申し上げます。
資源を有効に利用する循環型社会の構築に向けては、市内での資源循環型施設の整備も着実に推進する必要がございます。相原エリアでは、施設整備に必要な測量及び設計などを進めてまいります。上小山田エリアでは、地域の皆さまと合意形成を図れるよう、話し合いを継続してまいります。
また、誰もが日々の心地よさや生活の豊かさ、充実感を得られるまちにしていくためには、文化芸術やスポーツといった、暮らしを彩るコンテンツにつながるきっかけがあり、活動の場をつくることが大切です。
今年の4月には、「町田市文化芸術のまちづくり計画」がスタートしました。「文化芸術を育み、笑顔咲くまち~町田でLet’s stART~”」を目指す姿に掲げ、市民や団体、事業者の皆さまのチャレンジを応援し、コラボレーションを図りながら、文化芸術のきっかけや場の創出、さらには未来につながる取組を進めてまいります。
そして、この取組をより多くの皆さまと一緒に盛り上げていくため、計画のスタートに先立ち、町田市出身・在住のロックシンガー・けいたろうさんを、「文化芸術のまちだアンバサダー」の第1号に任命しました。アンバサダーとして、まちの魅力や文化芸術の楽しさを発信していただくことで、文化芸術を身近に感じ、親しんでいただける、そのようなきっかけづくりにつなげてまいります。
そして、スポーツを気軽に親しめるための場づくりといたしましては、誰もがスポーツを「する」「みる」ことが出来る、インクルーシブな施設として、町田木曽山崎パラアリーナを整備するための基本設計と実施設計を進めています。併せて、スポーツを通じた共生社会の実現に向けて、普及啓発と理解促進を目的としたイベントの開催にも取り組んでまいります。また、東京都が整備中の「境川金森調節池」の上部では、軟式野球、サッカー、グラウンドゴルフなどができる多目的グラウンドを備えた公園の整備を進めてまいります。これらの施設については、2028年度のオープンを目指してまいります。
これまで述べてまいりましたように、一人ひとりにとってのココチよさを叶えるための魅力が、町田市にはたくさんあります。その魅力を、町田に関わる皆さまと市内外へと発信することで、一人でも多くの方に町田に住んでよかった、町田に行ってみたい、住んでみたいと思っていただけるよう、積極的なシティプロモーションに取り組んでまいります。
誰もがホッとできるまち
なりたいまちの姿の3つ目は、“つながり”がキーワードの「誰もがホッとできるまち」についてでございます。
市民の皆さまに、安全安心な生活を続けていただくための環境をつくることは、自治体として最も大切な仕事だと考えております。日常生活を穏やかに楽しく過ごすことが出来て、いざという時にも頼りになる、そんな町田市を作っていくために、さまざまな取組を推進してまいります。
市民の安心のためには、市民病院がいつでも頼れる存在でなければなりません。その実現に向けては、救急医療体制を強化していくこと、そして良質な医療を安定して提供し続けられるように経営改革を進めていくことが重要です。私は、市長に就任してから、真っ先に進める施策として、市民病院の救急医療体制の強化を掲げております。今後、新たに救急科を設置し、「断らない救急」の実現に向けた取組を加速してまいります。今後、体制の強化に必要となる医師、看護師などの人員確保や、診療体制の再構築、手術室や設備機器の改修計画の策定など、救急科設置に向けた具体的な検討を進めてまいります。
また、このたび、東京都医師会から病院救急車の無償貸与を受けることができ、運行の体制が整いました。併せて、救急救命士の資格を持つ非常勤職員も採用し、他の医療施設等との搬送を中心に、地域医療連携の強化にも活用してまいります。
これらの救急医療体制の強化によって、救急患者の受け入れをスムーズにし、入院患者数の増加や、病床稼働率の上昇などに取り組み、市民病院の経営改善を強力に進めてまいります。2026年度内には、新しい中期経営計画を策定し、病院の将来像や、具体的な経営改革の内容について示してまいります。
安全安心なまちを目指すためには、近年の激甚化・頻発化する災害に対し、これまで以上に実効性のある防災対策を講じる必要があります。2026年度からの2カ年で取り組む、「町田市地域防災計画」の見直しにおいては、東日本大震災や熊本地震など、近年の大規模災害を参考に、時間を追って変化する市民ニーズなどを踏まえながら、時系列別に各機関が対応すべき事項を整理した実効性のある内容へ、計画を改定してまいります。併せて、防災対策を着実に実施するため、市内事業者や周辺自治体との連携も積極的に強化してまいります。さらに、地域防災力の一層の強化を図るために、未来の防災の担い手である児童・生徒への防災教育に積極的に取り組んでまいります。
地域における日常的な困りごとの相談支援は、高齢者支援センター、まちだ福祉〇ごとサポートセンターなどの関係機関が、地域の支援団体等と連携し、分野横断的に取り組んでおります。地域や福祉を取り巻く課題が多岐に渡ってきていることを踏まえ、2026年度には「町田市地域ホッとプラン」の中間見直しを行い、地域における支え合いの輪をより一層広げてまいります。
また、「高齢者福祉計画」、「介護保険事業計画」、「認知症施策推進計画」についても、3つの計画を一体化した、次期「町田市いきいき長寿プラン」を策定します。介護予防・フレイル予防や認知症施策などに取り組み、みんなで健康寿命を延ばすまちを目指してまいります。
健康寿命を延ばすためには、健康診断の受診や運動習慣、社会とのつながりがカギとなります。加えて、元気なうちに、今後どのように暮らしたいか、どのような医療やケアを望むかなどを自らの意思で考え周囲の人と共有しておくということも、高齢者の方が自分らしく人生を過ごしていく上で重要な要素であると考えております。このようなことも踏まえ、高齢者が住み慣れた地域で、いきいきと生活を続けるために、健康を見守る新たな仕組みである、「(仮称)見守り手帳」の導入に向けた検討を進めてまいります。
みんなの“なりたい”がかなうまち
続いて、まちづくりを支える、経営改革の取組でございます。
「まちだ未来づくりビジョン2040」に掲げる「行政経営の姿」である「みんなの“なりたい”がかなうまち」の実現を目指して、社会経済の変化を的確に捉え、見直すべきものは見直しを行ってまいります。
それでは、3つの経営基本方針ごとにご説明いたします。
共創で新たな価値を創造する
まず、基本方針1「共創で新たな価値を創造する」についてでございます。
市政運営にあたり、私が最も大切だと考えていることは、“市民の皆さまの声をしっかりと受け止め、その声を市政に反映する”、そうした真摯な姿勢を持つことでございます。
市ではこれまで、市政モニターやパブリックコメントによる市民意見募集、あるいは高校生を含む市民や有識者との対話を通じて市の事業を評価いただき、改善につなげる「町田市市民参加型事業評価」等、様々な場面で皆様の声を市政に取り入れてまいりました。
私といたしましても、今後もより広く市民の皆様の行政課題に対する意見を伺うための機会を設けていきたいと考えております。そのため、今年度につきましては、さらに幅広く、これまで行政に声を届けるきっかけの少なかった市民のご意見を、市が目指すべき未来の姿や抱える課題解決に反映できるよう、「市民討議会」を開催することといたしました。
続いて、オープンイノベーションの推進についてです。
社会環境の変化に伴い、市民ニーズや行政課題は複雑化・多様化が進んでおり、オープンイノベーションの重要性がますます高まっていると認識しております。
これまでのように、市だけで課題解決をすることが難しくなっていることから、多様な方々と力を合わせて、より一層の市政の改革・改善と、新たな価値の創出を進めてまいります。
事業者との連携としては、公民連携窓口「Co-Laboまちだ」を通じた「町田市民間提案制度」を進め、市だけでは持ち得ないアイデアや技術をいただき、社会課題の解決や市民サービスの向上等につなげます。
また、地域・民間・行政が集まり、やりたいこと、できることを話し合い、対話を通じて新たなプロジェクトを創出する「寄り合い-The YORIAI-」や、団体や企業等をつなげる地域活動のプラットフォーム「市民協働フェスティバル まちカフェ!」など、町田市独自のオープンイノベーションの取組により、市民や地域の“やりたい”を実現してまいります。
加えて、持続可能なコミュニティづくりに取り組んでまいります。地域における連携の土台は、地域コミュニティでございます。2024年度と、2025年度の2か年をかけて、法政大学と市で共同研究に取り組みました。
この研究では、町田市における地域コミュニティの現状と課題を明らかにし、「持続可能な地域コミュニティ」の実現に向けた方針を示し、具体的な工程をロードマップとして作成いたしました。
2026年度からは、このロードマップに基づき、「持続可能な地域コミュニティ」の基盤を確立するため、取組を進めてまいります。
対話を通して市役所能力を高める
2026年度は、「町田市5ヵ年計画22-26」の最終年度であり、次期実行計画である「(仮称)町田市5ヵ年計画27-31」を策定する年でもございます。現行計画に基づき取り組んできた内容については、しっかりと振り返りを行い、これまでの成果や今後の課題を受け止め、次の5年に向けて必要となる取組の整理を行い、今後も計画に基づくまちづくりを推進してまいります。
特に、中心市街地のまちづくりや、子どもにやさしいまちの実現、持続可能な地域コミュニティの構築や、健康寿命を延ばすための取組など、町田市の未来を決定づける重要なプロジェクトについては、地域・民間・行政が力を合わせて、「町田ワンチーム」で取り組むことが重要だと考えております。市民の皆さまをはじめとして、関係する皆さまの声をしっかりと聞き、ご協力をいただきながら、「三位一体の改革」に関連する施策などを、信念を持って推進してまいります。
そのことで、43万人の市民一人ひとりが、「やっぱり町田が一番」と思える、誇れるまちを実現してまいります。
以上、2026年度の施政方針を申し述べさせていただきました。それぞれの取組を進めるにあたっては、議員各位並びに市民の皆さまのご理解とご協力を賜りますよう、改めてお願い申し上げます。ありがとうございました
次世代につなぐ財政基盤を確立する
次に、基本方針3「次世代につなぐ財政基盤を確立する」についてでございます。
生産年齢人口の減少に伴う税収の減少や、高齢人口の増加に伴う社会保障費の増加、公共施設などの社会インフラの更新などに備えつつ、未来への投資を行っていくためには、安定した財政基盤を確立することが重要でございます。
国や東京都の補助制度の積極的な活用、中長期的な債券の運用、土地や建物の貸付や有料広告掲載による収入などによって、財源の確保を図ります。
特に、企業版ふるさと納税制度においては、昨年度も多くの企業から町田市の取組に共感をいただき、過去最高の41件、2,200万円を超える寄附をいただきました。
これは、ホームタウンチームの活躍などもあったことによるものであり、これまで以上に町田が全国的に注目を集めている証です。こうした流れを絶好の機会と捉え、これまで以上に多くの皆様の共感が得られるよう、私も自ら率先して、市内外に向けたプロモーションに取り組んでまいります。
歳入の増加に取り組む一方で、将来を担う世代に負担を先送りしない取組として、「公共施設の再編」にもあわせて取り組んでまいります。
公共施設の再編は、施設を適正な規模や配置としていくことで、市民にとって使いやすい公共施設を実現できるだけでなく、施設の総量を圧縮することにより、維持管理費をはじめとしたコスト削減が見込まれることから、行政経営改革の一丁目一番地の取組と捉えております。
再編にあたりましては、物価高騰や担い手不足など、乗り越えなくてはならない課題はございますが、一つ一つの課題を解決して、着実に取組を進めてまいります。
2026年度は、再編の道しるべとなる、「公共施設等総合管理計画」及び「公共施設再編計画」の改定を進め、2027年度以降の具体的な取組をお示しいたします。
2026年度補正予算
以上のような考えで編成した2026年度6月補正予算案の規模は、
一般会計、19億6408万円
特別会計、1億1356万円
合計、20億7764万円となり、当初予算と合わせると、
一般会計、2096億3867万円
特別会計、1394億9277万円
合計、3491億3144万円
となっております。
昨年度の当初予算と比べますと、一般会計では約8.6パーセント増、特別会計では約1.5パーセント増、合計すると約5.6パーセント増となっております。
むすびに
2026年度は、「町田市5ヵ年計画22-26」の最終年度であり、次期実行計画である「(仮称)町田市5ヵ年計画27-31」を策定する年でもございます。現行計画に基づき取り組んできた内容については、しっかりと振り返りを行い、これまでの成果や今後の課題を受け止め、次の5年に向けて必要となる取組の整理を行い、今後も計画に基づくまちづくりを推進してまいります。
特に、中心市街地のまちづくりや、子どもにやさしいまちの実現、持続可能な地域コミュニティの構築や、健康寿命を延ばすための取組など、町田市の未来を決定づける重要なプロジェクトについては、地域・民間・行政が力を合わせて、「町田ワンチーム」で取り組むことが重要だと考えております。市民の皆さまをはじめとして、関係する皆さまの声をしっかりと聞き、ご協力をいただきながら、「三位一体の改革」に関連する施策などを、信念を持って推進してまいります。
そのことで、43万人の市民一人ひとりが、「やっぱり町田が一番」と思える、誇れるまちを実現してまいります。
以上、2026年度の施政方針を申し述べさせていただきました。それぞれの取組を進めるにあたっては、議員各位並びに市民の皆さまのご理解とご協力を賜りますよう、改めてお願い申し上げます。ありがとうございました。
