当面の施政方針(2018年3月13日)

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更新日:2018年3月19日

平成30年(2018年)第1回市議会定例会が開会され、石阪市長は3月13日の本会議で当面の施政方針を表明しました。ここでは、その全文を掲載します。

はじめに

2018年第1回市議会定例会の開会にあたり、市政運営の所信を申し述べさせていただきます。
はじめに、ご列席の議員の皆様におかれましては、2月25日に行われた市議会議員選挙で当選されましたことに対し、心からお祝い申し上げます。
私は、同日に行われた市長選挙におきまして、多くの方からご支持をいただき、町田市長として4度目の市政運営を担当させていただくこととなりました。この重責に身の引き締まる思いであり、全力で市民の皆様の負託に応えてまいります。
当面の施政方針の前に、去る2月4日にご逝去された町田市名誉市民の三橋國民氏へのお悔やみの言葉を申し述べさせていただきます。三橋國民氏は造形美術家として彫刻や絵画など幅広い創作活動に加え、自らの戦争体験を様々な世代に伝える講演活動にも取り組んでこられました。平和の尊さを訴え続けてこられた姿は、広く市民に敬愛され、町田市の誇りとするところであります。ここに故人のご功績を偲び、謹んで哀悼の意を表します。

まちだ未来づくりプランの推進

それでは、これより4期目に臨むにあたっての私の思いをお話しさせていただきます。
2006年3月に初めて市長に就任して以来、私は、町田の未来をつくるために2つの志を持って市政運営に取り組んでまいりました。1つ目は、「すべての世代の方々に生活の質の向上を実感していただく」ことであり、2つ目は、「市民目線で行政経営改革を進める」ことです。この2つの志を具現化すべく、2007年度に町田市中期経営計画を策定し、続いて2012年度に町田市基本計画「まちだ未来づくりプラン」をスタートさせ、現在に至っております。
1つ目の志を実現するため、まちだ未来づくりプランにおきまして「まちづくり基本目標」として4つの都市像「将来を担う人が育つまち」、「安心して生活できるまち」、「賑わいのあるまち」、「暮らしやすいまち」を掲げ、市民生活の充実を図ってまいりました。
また、2つ目の志を実現するため「行政経営基本方針」として3つの経営像「市民と問題意識を共有し、共に地域課題に取り組む」、「市民の期待にこたえられるよう、市役所の能力を高める」、「いつでも適切な市民サービスが提供できる財政基盤をつくる」を掲げ、市政運営に努めてまいりました。
まちづくり基本目標の実現に向けた、これまでの主な取組といたしまして、保育施設の充実や子どもたちの居場所づくりを進めるとともに、子育て世帯に対するシティプロモーションを展開してまいりましたことで、2016年の0歳から14歳の転入超過者数が全国の区市町村中で第1位となりました。また、2017年も第3位と高い順位を維持しております。
高齢者施策におきましては、特別養護老人ホームの整備を促進し定員数を増加させたことで、要介護3以上の方のうち約8割の方が申込みから1年以内に入所できるようになりました。
また、かねてから市民協働により検討を重ねてまいりました新しい熱回収施設につきましては、民間活力を導入した運営方法を採ることが決定し、現在、2022年1月の稼働に向けた整備を進めているところでございます。
行政経営改革におきましては、複式簿記・発生主義の考え方に基づく新公会計制度を2012年度に全国の市町村で初めて導入して以降、トップランナーとしてその活用に取り組んでまいりました。2014年度決算からは、「課別・事業別行政評価シート」を地方自治法に定める「主要な施策の成果に関する説明書」として決算審議に活用しております。これまでおよそ100の自治体から視察を受けてきたことなどからも、この取組が注目度の高いものであると理解しております。
さらに、生産性向上の取組といたしまして、人口が同規模の自治体と共同で、国民健康保険や介護保険など、法令に基づく基幹業務を対象とした比較分析を行い、それに基づく事務事業の見直しを開始したことが、自治体の自律的な取組として国から高い評価をいただいております。
これまでの取組が実を結び、子どもや高齢者施策、行政経営改革などにおいて一定の成果が得られたという実感があります。一方で、生産年齢人口の減少と超高齢化を要因とした構造的収支不足など、新たな環境変化による課題も顕在化してきております。社会全体が縮小傾向にある中でも町田市が選ばれていくため、これまで以上に「市民生活の質の向上」に取り組み、まちの魅力を高めてまいります。
長期的な話ではありますが、これから先の時代は、テクノロジーの発展や働き方改革などにより、仕事の仕方や仕事以外の時間の使い方が変わっていくことが見込まれます。そのときに、どうすれば市民が充実した暮らしを送れるか、どうすれば市外の方が町田を訪れたいと思い、そこで楽しい時間を過ごすことができるか、といったことに主眼を置いて施策展開をしていく必要があると思っております。

6つの重点施策

さて、町田市は本年2月に市制60周年を迎えました。来年にはラグビーワールドカップ、再来年には東京オリンピック・パラリンピックが控えております。この3年間をひとつの契機とし「まちだ○ごと大作戦18-20」と銘打ち、市民の「やってみたい夢」の実現に向けた取組をオール町田で進めてまいります。これから先、選ばれ続けるまちとなるための礎として、市民の皆様とともに職員も一丸となって事業実施にあたる所存です。
さらに今後の4年間につきましては、まちだ未来づくりプランの集大成の期間です。引き続き、若年層に向けた施策展開をしていくとともに、これまでなかなか進められずにいた中心市街地のまちづくりに対し、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
それでは、今後の市政運営にあたり、重点的に取り組んでいく6つの施策について申し述べさせていただきます。

  • 子育て世代が選ぶまち

まず第1に、町田市を「子育て世代が選ぶまち」としてまいります。
人口減少時代におきましては、これからの町田を担っていく若年層の「住みたい」「住み続けたい」という意欲を高めていく必要があり、中でも子育て世代に対して、施策の充実を図るとともに、保育や教育環境の良さを積極的にPRしてまいります。
乳幼児に関する施策としましては、特に3歳未満の待機児童の解消を目指し、小規模保育所の整備による定員の増加を図ります。また、子どもの居場所づくりとしまして、本年1月にオープンした木曽子どもクラブ「きそっち」に続き、小山中学校区などに子どもクラブを順次整備していくとともに、放課後子ども教室「まちとも」の全小学校での展開や常設型冒険遊び場の増設などを行ってまいります。
学校教育におきましては、新しい学習指導要領を先取りし、放課後英語教室の実施や外国人指導助手の増員など小学校の英語教育に力を入れるとともに、授業でのタブレット端末の活用などICT環境も充実させることで、国際社会・情報化社会に対応できる人材の育成を進めてまいります。

  • 新たな基幹交通網を前提としたまちづくり

第2は、「新たな基幹交通網を前提としたまちづくり」です。
多摩都市モノレール及び小田急多摩線の延伸は、かねてからの悲願であり、多くの方が実現を期待しているところであります。
多摩都市モノレールにつきましては、2016年4月の国土交通省交通政策審議会において「事業化に向けて具体的な調整を進めるべき」との答申を受けたことにより、近い将来、町田まで延伸されることが現実的となりました。
新たな交通基盤を迎えることは、これからの町田市にとって大きな強みとなるものであり、このことにより市内における人や物の流れは確実に変わります。この大きな変化に的確に対応できるよう、現段階からモノレールの延伸を前提としたまちづくりを進めてまいります。
また、小田急多摩線につきましては、相模原市との連携をさらに深め、延伸の実現に向けた検討を進めてまいります。
延伸後のまちの姿を見据えて、沿線にある団地再生の取組や北部丘陵の活性化策などを一体的に考えていくとともに、道路や建物などのハードのみならず、福祉などソフト的なサービスへの効果も考慮して、新しい基幹交通網が整備されるということを全市的な共通認識としてまちづくりにあたります。

第4期市政では多摩都市モノレール延伸を見据えたまちづくりを進めます第4期市政では多摩都市モノレール延伸を見据えたまちづくりを進めます

  • 中心市街地の再開発・再整備

第3は、「中心市街地の再開発・再整備」です。
今週末からいよいよ小田急の複々線化による新ダイヤ運行が始まり、町田から新宿への所要時間は約10分短縮されます。町田駅が得たこの大きなポテンシャルアップを最大限に生かしながら、これまで積み残してきた中心市街地における課題に対応し、まちの魅力を高めてまいりたいと考えております。
鉄道と主要なバス路線の交通結節点である町田駅においては、まちの玄関口となる交通ターミナルの改善がカギをにぎっているといえます。分散しているバス乗降場の集約、空港バスの充実、快適性を備えた待合スペースの確保、タクシープールや自家用車乗降場の整備を進めることなどで機能向上を図ってまいります。
モノレールの駅ができるということを意識し、市と交通事業者などがしっかりと連携しながら整備を行っていくことで、ゆとりある歩行者空間の確保やスムーズな車両の流れ、ストレスのない乗換えを可能にする快適な駅前環境を創造してまいります。
また、JR町田駅南地区の再開発や文化芸術ホールなど集客施設の整備につきましても本格的に検討を進めてまいります。新たな開発を好機とし、中心市街地を訪れた人たちが楽しくまちを回遊できるよう、地元商店会をはじめ、まちで活動する皆様と協力しながら、さらなる賑わい創出に努めてまいります。

  • 3つのもりの整備

第4は、薬師池公園四季彩の杜、芹ヶ谷公園芸術の杜、野津田公園スポーツの森の「3つのもりの整備」です。
薬師池公園四季彩の杜におきましては、町田市を代表する観光拠点としての魅力を高めるため、2020年度の西園オープンを目指し、農産物直売所やカフェなどの整備を進めるとともに、連節バスが停車できるバスベイも整備していくことで集客力の向上を図ります。
芹ヶ谷公園芸術の杜におきましては、駅に近いという立地のポテンシャルを最大限に生かせるよう、樹木の適度な剪定による明るい空間の創出に加え、隣接する都営住宅跡地や高ヶ坂縄文時代遺跡との一体的な整備を進めてまいります。また、アートイベントやワークショップの開催など、中心市街地との回遊性を高める様々な取組を行うことにより、市民や来街者がまちなかで水と緑、文化と芸術に触れることができる場所としてまいります。
そして、野津田公園スポーツの森におきましては、町田市立陸上競技場を整備し、「見る」スポーツの充実を図ることに加え、新たに多目的グラウンドなどの整備を進めることで「する」スポーツも充実させてまいります。市民がサッカーやラグビー、陸上競技などを観戦者としてもプレーヤーとしても楽しめる、様々なニーズに対応した総合スポーツパークとして公園の価値を高めてまいります。

  • 鶴川駅、南町田駅周辺の再整備

第5は、「鶴川駅、南町田駅周辺の再整備」です。
鶴川駅周辺の再整備につきましては、北口の交通広場の拡張や再配置などを行うとともに、南口の土地区画整理事業に早急にとりかかり、周辺道路の渋滞緩和を図ることで、鶴川駅の機能を飛躍的に向上させます。将来的には商業施設の新設なども見据え、町田市の副次核として、都市活動の一翼を担う地域として整備を進めてまいります。
また、南町田駅拠点創出まちづくりプロジェクトにつきましては、区画整理・商業施設・駅舎・自由通路の整備が本格的に始まって2年目を迎え、2018年度からは鶴間公園の整備工事も開始する予定でございます。2019年度秋の「まちびらき」まで2年を切る中で、新しいまちを楽しみにしていただいている方が多くいることを実感しているところではございますが、さらに強く印象づけていくために、東急電鉄と町田市とで、このまちを「南町田グランベリーパーク」と名付けることといたしました。
駅・公園・商業施設がつながりあう「南町田グランベリーパーク」は、言うなれば「すべてが公園のようなまち」であることが、他に類を見ない価値であり、魅力であると認識しております。この「南町田グランベリーパーク」という名を広くお知らせし、市内外の皆さんに覚えていただきながら、新しいまちのオープンを楽しみに待っていただける空気を創り出してまいりたいと考えております。

  • 行政経営改革の推進

第6は、「行政経営改革の推進」です。
これまで、市民から信頼される市役所を目指して、市民視点に立った行政経営改革を推し進めてまいりましたが、今後も、さらなる生産性の向上や市民サービスの向上に向けて、改革・改善を進めてまいります。
まずは、生産性向上の取組といたしまして、他自治体との比較分析に基づく事務事業の見直しを継続して実施いたします。対象となる業務につきましては、2017年度に着手した税務業務に加え、住民基本台帳業務などの分野にも広げ、これらの比較分析から得られた結果を町田市における業務改革や改善に生かしてまいります。
また、公共施設における行政サービス改革といたしまして、本年6月に公共施設再編計画を策定いたします。具体的には、2018年度から2055年度までの施設機能ごとの方向性を示し、そのうち2026年度までの9年間に取り組む内容を「短期再編プログラム」として定めます。この計画のもと、単に施設を減らしコストダウンを図る再編ではなく、公共施設・公共空間のより良いかたちの実現を目指してまいります。
これらの取組により、質の高い行政サービスを効率的・効果的に提供し、市民サービスの向上につなげてまいります。

むすびに

6つの重点施策をはじめ、様々な事業を通しまして、町田市が15年後も30年後も選ばれ続けるまちとなるよう、町田の未来づくりに全力を挙げて取り組んでまいります。そのためにも、ここにご列席の議員の皆様から、闊達なご議論とご助言をいただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上、私の所信を表明させていただきました。ご清聴ありがとうございました。

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