当面の施政方針(2022年3月11日)

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更新日:2022年3月24日

令和4年(2022年)第1回市議会定例会が開会され、石阪市長は3月11日の本会議で当面の施政方針を表明しました。ここでは、その全文を掲載します。

はじめに

2022年第1回市議会定例会の開会にあたり、市政運営の所信を申し述べさせていただきます。
はじめに、ご列席の議員の皆様におかれましては、2月20日に行われた市議会議員選挙で当選されましたこと、心からお祝い申し上げます。
私は、同日に行われた市長選挙におきまして、多くの市民の皆様からご支持をいただき、町田市長として5度目の市政運営を担当させていただくこととなりました。この重責に身の引き締まる思いであり、全力で市民の皆様の負託に応えてまいります。

これまでの成果

さて、これまでの4期16年の市政運営において私が意識してきたことは、「すべての世代の人々に生活の質の向上を実感していただく」ということです。
子育て世代の方々に対しては、認可保育所や送迎保育ステーション、病児保育室の整備を通して、働きながらでも子育てしやすい環境を整えてきたほか、マイ保育園事業の促進や地域子育て相談センターの設置により、安心して子育てできる環境づくりを進めてまいりました。
また、子どもたちには学校以外の居場所が必要であると考え、子どもセンター5館に加え、補完するかたちで子どもクラブの整備も進めております。ほかにも、放課後子ども教室「まちとも」を全小学校で開始するなど、子どもの居場所の充実を図ってきたことが功を奏し、現在も全国トップ10に入る年少人口の転入超過数を維持できております。
高齢世代の方々に対しては、介護予防のトレーニング「町トレ」や、認知症の方と地域のつながりの場「Dカフェ」の実施等を通して、住み慣れた場所で安心して自分らしく暮らせるような環境を整えてまいりました。一方で、どのような状況でも安心していただけるよう、特別養護老人ホームの定員数増加にも取り組んでまいりました。その結果、入所待ちの期間短縮ということも実現しております。
暮らしの質の向上にも様々ございますが、まちの賑わいというところでは、2019年にまちびらきした南町田グランベリーパークが好事例であるかと思います。駅と商業施設と公園が一体となった新たなまちは、コロナ禍においても市内外から幅広い世代の方々にお越しいただいており、日々の暮らしに潤いを与える魅力にあふれたエリアとして定着しております。さらに、その空間づくりが多方面から高く評価され、数多くの賞をいただいたことは、そこに暮らす方の街への愛着醸成にもつながっていると感じております。
また、次世代エネルギーの活用というところでは、新しい熱回収施設となる町田市バイオエネルギーセンターが、民間活力を導入した運営で本年1月から稼働開始しております。特に、生ごみをメタン発酵させるバイオガス化施設は、一般廃棄物の焼却施設に併設する施設として東日本初となります。他自治体からの関心も高く、持続可能なまちづくりの、そして町田市の環境教育の発信拠点としての役割を担っているものでございます。

以上のようなまちづくりとともに、もう一つ私が就任当初から変わらず取り組んできたことが「市民目線による行政経営改革」です。
まずは、少し前のお話になりますが、職員の勤務時間改革でございます。2012年度から職員の勤務開始時間を10分早めて8時20分とし、全職場で朝礼を済ませたのちに、8時30分から市民の皆様をお出迎えする働き方に転換しました。これは、多摩26市では現在も町田市のみが実施しております。「民間のサービス業で当たり前に行っていることは、市役所でも当然に行っていく」という意味では、私にとって、行政サービス改革の原点ともいえる取り組みであると考えております。
同じく2012年度からになりますが、全国の市町村に先駆けて、市役所の会計に複式簿記・発生主義の会計方式を導入いたしました。職員人件費や減価償却費等のフルコスト情報を記載した事業ごとの財務諸表を作成することで、官庁会計では見えてこなかった会計情報を踏まえ、公金の使途をわかりやすく伝えることが可能となり、説明責任を果たすとともに、市政の透明性を向上させることができたものと考えております。
そして、地域においては、「地域予算」の交付や「地域活動室」の確保、「地域おうえんコーディネーター」の配置等を通して、町内会・自治会連合会の地区連合会を基盤とする「地区協議会」の設立やその後の活動を支援してまいりました。さらには、2019年4月に設立した「地域活動サポートオフィス」により、住民をはじめ、民間団体・事業者・大学等の地域づくりの主体となる方々への支援や、担い手相互のマッチングを行うことで、地域における課題解決や、魅力向上の取り組みを支える体制を整えてまいりました。
2018年の市制60周年を契機に始まり、昨年末に終了した「まちだ〇ごと大作戦18-20+1(じゅうはちにじゅうプラスワン)」では、市民が地域で自らやってみたいと思う取り組みを、“オールまちだ”体制の実行委員会とともに、市役所も組織一丸となってサポートいたしました。その結果、4年間で272件の作戦が実施され、当初の想定を大きく上回る累計200万人以上の市民が参加し、地域において様々なつながりを生み出し、まち全体が大いに盛り上がりました。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大前の2019年度末に立ち上げた「“e-まち”実現プロジェクト」では、デジタル技術を活用し、市役所に来ることなく税金等を支払うことができるキャッシュレス決済や、住所変更手続きに必要であった届出書への書く手間を削減する「窓口申請支援システム」を導入いたしました。こうしたサービス改革をいち早く実現できた背景には、町田市が他自治体とともに取り組んできた、自治体間ベンチマーキングによる、現場レベルの業務改革の実践があります。これらを通じて、市役所業務の生産性を向上させるとともに、なによりも、市民の皆様が暮らしの中で利便性を実感できる行政のデジタルトランスフォーメーションを進めてきたところでございます。

市政運営の方向性

そして、次のまちづくりに向けては、約20年後の2040年に狙いを定めており、これからの町田市の目指す姿やその方向性を示した、新たな基本構想・基本計画「まちだ未来づくりビジョン2040」がいよいよこの4月からスタートいたします。市民の皆様とともに、未来を見据えて作り上げたビジョンを全力で推進し、2040年の町田市をイメージする都市像に掲げた「なんだ かんだ まちだ」、「なんだかんだ言っても町田が一番だな。」と誰もが感じることのできるまちを実現していきたいと考えております。

それでは、これから4年間の市政運営の方向性について、ビジョンに掲げる3つの「なりたいまちの姿」と1つの「行政経営の姿」に基づいて、お話しさせていただきます。

ここでの成長がカタチになるまち

まず、なりたいまちの姿の1つ目は、「ここでの成長がカタチになるまち」でございます。これは「子ども」をキーワードに、親や地域等の子どもを取り巻く様々な主体が、子どもと共に成長し幸せになれるまちづくりを進め、ここで暮らしてよかったと誰もが思えるような、それぞれにとっての幸せのカタチが生まれているまち、そんなまちを目指していくことを表明しております。
幸せをカタチにしていくにあたっては、「子どもにやさしいまち条例」の制定や「子どもの参画」の更なる推進を図り、子どもの権利を尊重し、町田市が“子どもにやさしいまち”であることを広く発信してまいります。また、保育所の待機児童ゼロを目指すことは当然ながら、市内に児童相談所を開設し、子ども家庭支援センターとの連携強化を図ってまいります。
さらに、子どもたちの未来を切り開く力を育むため、学校統合等を契機とした新たな学校づくりを進めるほか、市内3ヵ所の給食センターの整備を通して、中学生全員に安全・安心で温かい給食を届けていきたいと考えております。

わたしの“ココチよさ”がかなうまち

続いて、なりたいまちの姿の2つ目は、「わたしの“ココチよさ”がかなうまち」でございます。「くらし」をキーワードに、住む人、働く人、学ぶ人、近隣に暮らす人たちまでもが暮らしの楽しさを感じられる生活の拠点となるようなまちづくりを進め、それぞれにとってのココチよさがかなえられているまち、そんなまちを目指すものでございます。
ココチよさをかなえていくということでは、多摩都市モノレール延伸の早期実現、このことは最重要事項でございます。昨年末のルート選定を受け、これまで以上に事業の加速化を図り、新駅周辺のまちづくりに向けた本格的な検討に入ってまいります。
そして、モノレールがやってくる町田駅周辺につきましては、なんといっても町田市の顔ですので、ここの賑わい無くして町田市の発展はありません。中心市街地が纏う“商都町田”の空気感を生かしつつ、新たな交流や活動が生まれ続ける場所として、様々なニーズに応じた都市機能の集積を図ってまいります。併せて、長年の悲願であった文化芸術ホールの整備についても進めてまいります。
駅周辺のまちづくりとしましては、鶴川駅、相原駅周辺におきましても、現在取り組んでいる再整備を着実に進め、町田市の東西の拠点としての利便性を高めてまいります。
また、豊かな自然環境と歴史的資源を有する北部丘陵につきましては、訪れたくなる場所のひとつとなるよう、時代に即した新しい里山として有効に活用してまいります。

誰もがホッとできるまち

なりたいまちの姿の3つ目は、「誰もがホッとできるまち」でございます。「つながり」をキーワードに、人と人とのつながりが感じられるまちづくりを進め、誰もがホッとできる居場所を地域の中に見つけられているまち、そんなまちを目指すものでございます。
ホッとできるというところでは、子ども、障がい者、高齢者の各相談機関の垣根を越えて、対象や相談内容に関わらず、どこでも困りごとを相談できるような、包括的な体制を整え、ますます安心して暮らせる地域づくりを推進いたします。
また、アート・カルチャーという切り口から、芹ヶ谷公園と(仮称)国際工芸美術館、そして国際版画美術館とを一体的に整備し、“芸術の杜”パークミュージアムの実現に取り組んでまいります。多様な文化芸術活動に触れることができる、自由に自分を表現できる、そういった場所が市内にあることは、町田市ならではの個性であり、その魅力によってより多くの人が集い、新たなつながりができることを期待しております。
そして、次世代へつなぐという観点からは、町田市バイオエネルギーセンターを起点に、プラスチック、ビン、カン等の資源化施設の整備を進め、循環型社会を形成することにより、町田市を持続可能なまちとして、さらには、環境先進都市「ゼロカーボンシティまちだ」として、次の世代へ引き継いでいきたいと考えております。

みんなの“なりたい”がかなうまち

最後に、行政経営の姿は「みんなの“なりたい”がかなうまち」でございます。市民の声を市政へ反映していくとともに、町田市の持つ魅力や強みをいかすことで、一人ひとりの生活をより豊かなものとする行政経営を進めてまいります。
そのため、「まちだ〇ごと大作戦18-20+1」で実践した市民活動や地域の取り組みに寄り添っていく姿勢を、“〇ごとマインド”として職員全員が受け継いでまいります。そして、職員がプラットフォーマーの力を発揮して市民・団体・事業者等がつながる場を設定していくとともに、知恵やアイデアを結集していくことで、これまで以上に地域活動を活性化し、さらなる地域の魅力向上につなげてまいります。
また、町田市デジタル化総合戦略により、誰一人取りのこさない、人にやさしいデジタルトランスフォーメーションを推進し、さらなる市民の利便性向上と市役所の生産性向上を実現してまいります。
そして、公共施設再編にあたっては、これまでも市民や民間事業者との対話を重ねてまいりましたが、今後は、より具体的な事業に着手していくことからも、マーケティングに基づくニーズ把握をしっかりと踏まえ、市民の皆様にとって魅力的な施設を描いてまいります。また、民間とのコラボレーションを積極的に進めることで、公共施設の維持管理にかかる費用を削減していくとともに、サービスの質を高め、より良いまちの姿を実現してまいります。

むすびに

2022年度は、まちだ未来づくりビジョン2040とともに、都市づくりのマスタープラン、環境マスタープラン、地域ホッとプランという各分野の主要な計画が揃ってスタートを切る、町田市にとって大きな節目となる年でございます。
この新たな船出に際し、市長という大役を務めることができることを光栄に思うとともに、市民の皆様が夢を持ち、幸せを感じられるまちの実現を目指し、全力を挙げて市政運営に取り組んでいく所存です。そのためにも、ここにご列席の議員の皆様から、闊達なご議論とご助言をいただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

以上、私の所信を表明させていただきました。ご清聴ありがとうございました。

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