血糖値を変える3つの生活習慣(糖尿病特集ページ)
「血糖値が高い」と健診でいわれていませんか?
血糖値が高い状態が続くと、血管に負担がかかります。その状態を糖尿病といいます。
糖尿病の初期は、痛みなどの症状はほとんどありません。しかし、血糖値が急激に上昇する、または高い状態が長く続くことで、日常生活に異常をきたす恐ろしい症状が現れます。
糖尿病にかかる人の多くは、生活リズムや運動、食事などの生活習慣が原因です。これからも豊かな人生を送るため、「ただ値が高いだけ」と安易に考えず、生活習慣を変えてみましょう!
本ページでは、糖尿病を予防する生活習慣をご紹介します。
食事で血糖コントロール 糖尿病予防のための食事のコツとポイント
こんな習慣がある人は要注意!
- 早食いである
- 満腹になるまで食べる
- 朝食は食べないことが多い
- 甘い飲み物をよく飲む
- おやつなどの間食をよく取る
- お酒をよく飲む
- 炭水化物が多く、単品メニューになりがち
- 野菜をあまり食べない
- 寝る前2時間以内に食事をすることが多い
以下にまとめた食事のポイント4つに気をつけましょう。
ポイント1 食事の基本は、主食・主菜・副菜
- 主食:米、パン、麺類など
- 主菜:肉、魚、卵、大豆製品などのたんぱく質食品
- 副菜:野菜類、海藻類、きのこ類など
上の3つの要素を揃えて食べると栄養バランスが整います。
1日3食揃えることを意識しましょう。
主食・主菜・副菜の要素が含まれていれば、下のような献立でも構いません!
献立の例
- ごはんと肉野菜炒め
- おにぎりとゆで卵とサラダ
- ごはんと納豆と具沢山みそ汁
- カツサンドとサラダ
ポイント2 食べ方を気をつけよう
- 朝食を抜かず、1日3食とる
- 腹八分目を心がける
- ゆっくり時間をかけて、よく噛んで食べる
- 寝る2、3時間前までに食事を済ませる
特に朝食を抜くと、昼食後に血糖値の急上昇を招きます。まずは手軽なものから取り入れましょう。
できる人はさらに取り組みましょう!
- おかず(主菜・副菜)を食べてから、主食へ
- 様々な食品を組み合わせて食べる
ポイント3 ”食物繊維”を意識して
食物繊維は、野菜類・海藻類・きのこ類・豆類などに多く含まれています。
血糖値の急上昇を抑えるだけでなく、満足感が持続するので空腹感が軽減できます。
市販の惣菜や外食でも選び方次第でとることができます。
食物繊維を多く含むおかずの例
きんぴらごぼう、切り干し大根の煮物、ひじきの煮物、わかめの酢の物、ゆで枝豆、きのこのマリネ、海藻サラダ
ポイント4 おやつやアルコールをコントロール
おやつやアルコールをとる方は、下の5点を意識しましょう。
- おやつは1日200キロカロリー程度まで
- 小袋タイプのお菓子を選んで食べ過ぎ防止
- 小腹がすいたら温かい飲み物を飲んで、落ち着かせる
- アルコールは適量をゆっくり飲む
- アルコールを飲むときは主菜や副菜も一緒に食べる
200キロカロリー程度のおやつの例
- みたらし団子なら2本(100グラム)
- 蒸したさつまいもなら2分の1本(150グラム)
- しょうゆせんべいなら5枚(50グラム)
- アイスクリームなら1個(100グラム)
- 板チョコレートなら2分の1枚(35グラム)
望ましいアルコールの量
- ビールなら中瓶1本(500ミリリットル)
- 日本酒なら1合(180ミリリトル)
- 焼酎(25度)なら110ミリリットル
- ワインなら2杯(180ミリリットル)
- ウイスキーダブルなら1杯(60ミリリットル)
- 缶チューハイ(5度)なら520ミリリットル
アルコールの量が多すぎると中性脂肪を増加させるので、血糖コントロールにも影響が出ます。
継続できる目標を立てて、段階的に進めましょう!
食べたいもの・飲みたいものは、回数や量をコントロールして楽しみましょう。
保健予防課では、管理栄養士に食事の相談をできる栄養相談を行っています。
食事の見直しに、ぜひご利用ください。(参加費無料、要予約)
栄養相談へのリンクです。
糖尿病を防ぐ「運動習慣」
運動の糖尿病予防効果
- 筋肉が増えて太りにくい体質をつくります。
- 糖分、脂肪を燃焼し、肥満を解消します。
- インスリン抵抗性が改善します。
- 血圧やコレステロール値を改善し、動脈硬化を防ぎます。
- ストレスを解消します。
食後、30分程度たってから運動すると、ブドウ糖をエネルギーとして消費し、血糖値上昇を抑える効果が高いといわれています。
今、できそうなこと(1) 有酸素運動
脂肪燃焼効果が高い「有酸素運動」
酸素を十分に取り入れて、身体全体の筋肉を使う有酸素運動には、「ウォーキング」「水中運動」「サイクリング」等があります。自分の習慣として長く続けられるものを選んで始めましょう。一日15分から30分を週3日以上が目安です。
少し汗ばむスピード・人と会話をかわしながら続けられるくらいの強度の運動で十分です。
今、できそうなこと(2)「筋肉トレーニング」
筋肉量を維持、増加する「筋肉トレーニング」
肥満の有無を問わず、骨格筋量が減少することは、耐糖能異常や糖尿病を進展するリスクを高めます。非肥満者についても、骨格筋を強化し筋量を増加させる筋肉トレーニングによって、このリスクを低減できる可能性があります。
筋肉はエネルギーを大量に消費する組織です。年齢とともに落ちる筋肉を鍛えることで、脂肪が燃焼しやすい体になります。
呼吸は止めないように気を付けて、動かす筋肉を意識しながら取り組みましょう!
運動に取り組む前に
- その日の体調に合わせて無理をしなこと。
- 足に異常がない確認し、サイズに合ったシューズを使用しましょう。
- 通院している人は、医師の指示を確認しましょう。
- 定期健康診査を受けましょう。糖尿病は自覚症状がなく進行する病気です。毎年健診を受けていれば、自覚症状が現れる前に早期に異常を発見することが可能になります。
糖尿病と歯周病の深い関係
歯周病は糖尿病の合併症のひとつであり、また相互に影響し合っています。
糖尿病が歯周病を悪化させ、歯周病が糖尿病を悪化させる、といった悪循環に陥らないためには、糖尿病だけでなく歯周病の予防・治療もしっかりと行い、お口の健康を維持することがとても大切です。
お口の健康を良好に保つことで血糖コントロールの改善につながることが分かってきています。
糖尿病が及ぼす影響
高血糖状態が続くと、血液中に糖化タンパクが増えます。血管を介して歯周組織内に入ると白血球がこれを処理する際に炎症性の物質を産生します。その結果、歯周病を引き起こしたり重症化しやすくなります。
その他にも、糖尿病によって引き起こされる免疫力の低下、血管が脆くなる、傷が治癒しにくくなる、といった症状は、細菌感染症である歯周病を悪化させる要因として影響します。
歯周病が及ぼす影響
歯周病が重症化し、歯周病細菌が産生する内毒素が生体に入り込むと、白血球がこれを処理する際に悪玉物質を産生します(高度肥満では脂肪細胞からも悪玉物質を産生する)。この悪玉物質はインスリンの働きを阻害するため、血糖のコントロールが難しくなってしまいます。
糖尿病予防のためにできる「歯と口の健康」のこと
- 毎日正しく丁寧に歯みがきを行う
歯ブラシだけでは全体の約6割程度しか歯垢を落とすことができません。毎食後の歯みがきに加え、1日1回は、フロスや歯間ブラシも使って歯と歯の間まで清掃しましょう。 - 歯の定期健診、クリーニングを受ける
自覚症状が出る頃には進行してしまっている場合がほとんどです。半年から1年に1度は定期受診し、予防・早期発見に努めましょう。 - 1口30回ゆっくりよく噛んで食事をする
よく噛むことで満腹中枢が刺激され、糖尿病や肥満のリスクを下げることが分かっています。一口量を減らす、歯ごたえのある食材を取り入れる、などの工夫をすることで自然と噛む回数を増やすことができます。
こちらでは歯周病チェックリストや歯みがきの仕方についてご紹介しています。ぜひご覧ください。
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保健所 保健予防課 保健栄養係
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