カワセミ通信196(2023年9月)
今月の初めに、少し、野山を歩きました。まだまだ、暑さが続いているこの夏、9月になっても真夏の暑さです。例年、8月後半、旧盆の頃には、「さしもの暑さも、朝夕は時折、涼しい風が吹いて…」など、季節の変わり目の言葉もよく聞かれますが、今年は、9月になってから、朝夕の涼しさがやっと感じられるようになりました。季節が2週間以上ずれているようです。
9月が「真夏」の季節になるとは、正直、思いませんでした。日本は「四季」のある穏やかな気候の国だと言われてきました。しかし、最近は、3か月ごとに季節が変わる「四季」ではなく、春は4月の1か月だけで、5月から9月までは夏で、10、11月が秋、12月から3月の4か月が冬と、春と秋が極端に短くなったと感じています。
それでも、気温が高い中でも、日が短くなって、秋の気配を感じます。まずは、美しい夕焼け空が見えるようになりました。大気のチリや、湿気が減り、丹沢山塊の向こうに、南アルプスの北岳なども遠望することができます。コオロギなどの虫の声、ちょっとうるさいアオマツムシの声、セミの声ではツクツクボウシがミンミンゼミと交代しています。
草花では、今頃は、山道の日陰にはヤブミョウガの白い花、ヤマホトトギスの、赤い小さな斑点をちりばめた白い花が季節を教えています。紫色のホトトギスより楚々とした感じが秋にふさわしい様子です。土手でツルボの大きな群落にも出会いました。
野鳥のほうは、季節ごとに渡ってくる野鳥は現れず、年中この辺りに暮らす、留鳥だけの世界です。コジュケイやアオゲラの大きな声が響き、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロやウグイスなどは、囀ることはなく声を潜めています。
19世紀末からのこの百二十数年間で、最も暑い夏の記録だと発表がありました。予報ではこの暑さ、まだまだ続きます。市民の皆様には、熱中症の予防など引き続きご注意ください。
ヤマホトトギス
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