カワセミ通信1(2006年10月)
「奈良ばい谷戸」の稲刈り
カワセミ通信1
能ヶ谷地区、真光寺川の川べりに住んでいます。鶴見川上流の小さな流域の谷戸山(里山)でも、かつての丘陵の森は大半が区画整理事業で失われ、今は、小規模な森だけが残されています。その、森と森の間、真光寺川の上空をカケスが時折往復しています。カワセミにも、毎朝の散歩の折に出会うことができます。
さて、先日図師・小野路地区にある「奈良ばい谷戸」の稲刈りに参加しました。地元の管理組合(町田歴環管理組合)や、いつもの応援ボランティアの人たちと一緒に、稲刈りのコツを教わりながら、膝まで足が入ってしまう泥田と格闘しました。
町田市の北部一帯は、数十年前から都市再生機構(旧住宅都市整備公団)が区画整理事業の用地買収を進めてきました。しかし、3年ほど前に都市再生機構は事業の中止を決定しました。今回稲刈りをしたこの「奈良ばい谷戸」も町田市が一昨年都市再生機構から買い取った約35ヘクタールの農地の一部です。
谷戸の田んぼや山林はこの地域のふるさとの風景のひとつです。しかし、それを支えてきたのは田んぼだけでなく山仕事も含めた農家の営農努力です。「奈良ばい谷戸」も、葦がはびこり、柳まで入り込んでしまっていたものを、管理組合やボランティアの方の努力で元の田んぼに復元をした場所です。北部丘陵の環境をどのように守るか、と同時に、これから、地元の農家や市民の生活をどのように設計していくのか。都市再生機構の区画整理事業が中止になった今、大きな課題です。
稲刈用の、のこぎり鎌のように、切れ味良く、スパッと答えが出せれば良いのですが。
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