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下水道使用料の改定案について
下水道使用料の改定案を検討しています
下水道は市民生活に欠かせない重要なライフラインです。将来にわたり安定的に下水道を使い続けるには、家庭や事業所からの排水(汚水)の処理等にかかる費用について、下水道使用料で賄う必要があります。
しかし、節水意識の高まりなどにより使用水量が減少しているため、下水道使用料収入は減少傾向です。一方で、下水道施設の老朽化や物価高騰などにより費用が増加しています。今後、経営努力を上回る費用増加が予測され、使用料収入で回収するべき汚水処理費を賄うことがさらに困難になる見込みです。収入が不足すると、下水道管や下水処理場の修繕や改築更新が滞り、道路陥没や処理場の稼働停止のリスクが高まります。
町田市の下水道使用料は、使用者の負担を考慮し、経営健全化の取り組み等を行うことで、1999年7月以降約27年間据え置いてきましたが、現在の状況に合わせた見直しが必要となっています。今後の下水道使用料のあり方については、町田市下水道事業審議会において審議され、2026年2月に答申が出されました。審議会答申及び「未来につなぐ下水道事業プラン(町田市下水道事業経営戦略)26-35」(2026年3月策定)を踏まえて、下水道使用料の改定案を検討しています。
なぜ改定が必要なの?
地方公営企業である下水道事業では、汚水処理費を下水道使用料収入で賄う独立採算が原則です。下水道使用料収入は、人口減少や節水意識の高まりなどによる使用水量の減少により、減収が見込まれています。一方、汚水処理費は、昨今の急激な物価高騰や労務単価、人件費の上昇や、施設の老朽化に伴う修繕費用などの増大により、今後も増加していくことが見込まれています。
現在の下水道使用料収入は、汚水処理費を賄うために必要となる適正な水準(経費回収率100%)を下回っています。今後、経費削減や収入確保などの経営努力を上回る費用の増加が見込まれるため、経費回収率はさらに低下する見込みです。
下水道使用料を適正水準とするためには、下水道使用料収入を現行(改定をしない場合)よりも35%増加させる必要があります。
汚水処理費と使用料収入のイメージ
改定が必要となっている背景
(1)物価高騰などによる経営環境の悪化
昨今の社会情勢などの影響により、電力費や資材価格などが高騰し、経営状況に大きな影響を及ぼしています。国の見通しによると物価の上昇は今後も続くほか、金利も上昇していくものとされており、極めて厳しい経営環境が続くことが見込まれています。(詳しくは、経営戦略「第7章 投資・財政計画」を参照)
(2)老朽化に伴う改築・更新需要の増加
これまで整備してきた下水道管や処理場は、今後さらに老朽化が進み、改築・更新需要が増加していきます。また、改築・更新のほか、地震対策や浸水対策なども進める必要があり、それらの費用の増加が見込まれています。(詳しくは、経営戦略「第2章 町田市下水道事業の現状と課題」を参照)
(3)使用水量の減少に伴う下水道使用料収入の減少
近年、世帯数は増加しているものの人口が横ばい傾向であることから、一世帯あたりの下水道使用料収入が減少していくと見込まれ、加えて、今後は人口減少などに伴い使用水量が減少し、下水道使用料収入も減少すると見込まれます。(詳しくは、経営戦略「第3章 下水道事業を取り巻く将来推計」を参照)
上記(1)から(3)の「経営戦略」(「未来につなぐ下水道事業プラン(町田市下水道事業経営戦略)26-35」)各章は、こちらをご覧ください。
「未来につなぐ下水道事業プラン」(町田市下水道事業経営戦略)とは
経営努力の取組み
町田市はこれまでにも様々な経営努力を行い、経営の効率化・健全化に取り組んでいます。今後も、公営企業として持続的かつ安定的に下水道事業を経営していくため、経営基盤の強化、効率的・効果的な投資、危機管理体制の強化、公共用水域の水質保全の取組みを進めます。(詳しくは、経営戦略「第5章 効率化・経営健全化の取組み」を参照)
取組例1 資産の有効活用
未利用の下水道用地や施設などの空きスペースについて、スポーツ施設用地や自動販売機設置場所として、有償での使用許可又は貸付けを行っています。その収益を下水道施設・設備の維持管理の財源として活用しています。
取組例2 維持管理の効率化
下水道台帳システムの更改に伴う機能追加により、下水道管路施設に関する維持管理情報が一元化され、効率的かつ効果的な下水道ストックマネジメント業務を行っています。
また、リスク評価及び調査優先順位を検討した上で簡易調査を行い、必要に応じて詳細調査を行うことにより、維持管理コストを削減しています。
取組例3 情報通信技術(ICT)と人工知能(AI)を活用した下水処理の実施
民間事業者等と共に、情報処理技術(ICT)と人工知能(AI)を活用した革新的な水処理技術の実証事業(B-DASHプロジェクト実証事業「単槽型硝化脱窒プロセスのICT・AI制御による高度処理技術」)に取り組みました。これにより、電力削減や運転管理労力の軽減を図っています。
改定しないとどうなるの?
下水道使用料は、下水道施設の維持管理(点検、修繕、運転など)や、整備費用の負担(過去の工事費用等の企業債の返済など)に使われます。
使用料の改定を行わず、資金が不足すると、下水道施設の改築・更新や地震対策などを進めることができなくなり、安全・安心な下水道サービスの提供に支障をきたす恐れがあります。
例えば…
- 耐用年数を過ぎた施設は破損のリスクが大きくなり、汚水処理が適切に行えなくなった場合、市民生活に影響する(トイレや台所などの排水の抑制など)可能性があります。
- 老朽化や腐食などによる下水道管の破損による道路陥没などのリスクが大きくなります。
- 下水道管や処理場の耐震化が進まず、災害時に下水道の復旧が遅れる可能性があります。
道路陥没
道路陥没の復旧作業
改定案の内容
新しい料金体系【改定案】のポイント
(1)基本使用料の中に一定水量までの使用料を含む「基本水量制」を廃止します
単身世帯の増加や節水意識の高まりなどにより、基本水量(月8立方メートル)に満たない世帯が増加しています。
そのため、月8立方メートルまでの使用料を定額とする基本水量制を廃止し、使用水量に応じた料金体系とします。
基本水量制の廃止イメージ
(2)使用料収入全体に占める基本使用料収入の割合を維持します
下水道の使用には、固定的な経費(設備に係る費用、検針の費用など)が多くかかっています。事業運営に必要な経費を安定的に賄う観点から基本使用料による収入の割合を高めることが望ましいものの、少量使用者にとって負担が大きくなることから、基本使用料と従量使用料の収入の割合が現在と変わらない料金体系とします。
下水道使用料収入に占める、基本使用料と従量使用料の割合イメージ
(3)使用水量が多いほど単価が高くなる逓増制は継続し、逓増度は緩和します
多量使用に対応するための設備投資の費用改修や水使用抑制のため、使用水量が多いほど単価が高くなる逓増制を引き続き採用します。
一方で、一部の多量使用者に過度な負担を求めると、景気動向で水量の多寡が左右されるなど下水道事業経営の不安定化を招くため、単価が高くなる度合い(逓増度)を緩和します。多量使用時の単価は、現在は少量使用時の約4.4倍ですが、少量使用時の約3.6倍となる料金体系とします。
逓増制のイメージ
【改定案】下水道使用料(1か月)(税抜)
| 区分 | 汚水量 | 現行 | 改定案 | 差額 |
|---|---|---|---|---|
| 基本使用料 | ー | 560円 | 740円 | 180円 |
| 従量使用料(1立方メートルにつき) | 8立方メートルまで | 0円 | 30円 | 30円 |
| 8立方メートルを超え20立方メートルまで | 110円 | 130円 | 20円 | |
| 20立方メートルを超え30立方メートルまで | 140円 | 170円 | 30円 | |
| 30立方メートルを超え50立方メートルまで | 170円 | 210円 | 40円 | |
| 50立方メートルを超え100立方メートルまで | 200円 | 250円 | 50円 | |
| 100立方メートルを超え200立方メートルまで | 230円 | 290円 | 60円 | |
| 200立方メートルを超え500立方メートルまで | 270円 | 340円 | 70円 | |
| 500立方メートルを超え1000立方メートルまで | 310円 | 390円 | 80円 | |
| 1000立方メートルを超える分 | 345円 | 440円 | 95円 |
| 区分 | 汚水量 | 現行 | 改定案 | 差額 |
|---|---|---|---|---|
| 基本使用料 | ー | 280円 | 370円 | 90円 |
| 従量使用料(1立方メートルにつき) | 8立方メートルまで | 0円 | 40円 | 40円 |
| 8立方メートルを超える分 | 35円 | 40円 | 5円 |
【改定案】使用料金計算例(1か月)(税抜)
モデルケースの下水道使用料金(1か月・税抜)
下水道使用料の計算方法(現行)についてはこちらをご確認ください
改定案に関する意見募集
下水道使用料の改定案について、ご意見を募集します。募集期間は、2026年3月24日(火曜日)から4月20日(月曜日)までです。
意見募集の詳細は、3月24日から掲載します。
下水道使用料改定に関するQ&A
Q1.なぜこのタイミングで改定が必要なのですか
下水道事業では、下水道施設の改築・更新や災害等へ備えた強靭化を着実に進める必要があり、また、物価高騰などの経営環境を踏まえて計画的に経営健全化を図る必要があります。1999年7月以降約27年間、経営努力により現行の使用料体系を維持してきましたが、現行の使用料体系による収入では2026年度以降に必要な事業が実施できない見通しとなりました。そのため、下水道使用料の改定が必要という判断に至りました。
Q2.どのように検討してきたのですか
2024年11月に「未来につなぐ下水道事業プラン(町田市下水道事業経営戦略)の改定」及び「下水道使用料のあり方」について、町田市下水道事業審議会に諮問し、8回の審議が行われ、2026年2月に答申が提出されました。
答申を踏まえて、公営企業としての持続的かつ安定的な下水道経営のため、2026年3月に「未来につなぐ下水道事業プラン(町田市下水道事業経営戦略)26-35」を策定しました。
「未来につなぐ下水道事業プラン」(町田市下水道事業経営戦略)とは
Q3.どのような経営努力をしていますか
資源の有効活用、下水処理や維持管理の効率化などを実施し、また予算編成時には事業の重要度、緊急度及び効果を勘案し、優先すべき事業に対し重点的かつ効果的に予算を配分することで無駄のない経営に努めてきました。今後も持続可能な下水道事業を継続していくため、経営戦略の効率化・経営健全化の取組みを着実に実行していきます。(詳しくは、経営戦略「第5章 効率化・経営健全化の取組み」を参照)
Q4.下水道使用料の増収ではなく、税金を投入できないのですか
下水道事業は、地方公営企業法に基づき独立採算が原則であり、事業運営に必要な経費は、事業収入により運営することとされています。
汚水処理にかかる経費は汚水を排出した使用者にご負担いただくべきものであるため、下水道使用料収入により賄う必要があります。
Q5.町田市の下水道事業の特徴はありますか
町田市は、地形上の問題から、東京都が管理する流域下水道で汚水処理ができる地域が限られているため、市独自で2つの下水処理場を持ち、市が自ら汚水処理を行っていることが大きな特徴です。流域下水道で汚水処理をしている近隣の自治体とは維持管理にかかる費用が異なることも踏まえて、町田市の汚水処理費用に合わせた下水道使用料体系とする必要があります。
Q6.下水道使用料を改定する際の周知はどのように行いますか
広報まちだ、市ホームページ、チラシ、検針のお知らせ、市公式LINEなどでの周知を予定しています。市民や事業者の皆様に分かりやすく丁寧な説明をするよう心がけていきます。
Q7.経済的に困窮する家庭に対する減免の制度は、今後も継続されますか
市では、生活保護受給者や児童扶養手当受給者など経済的困難を抱える方、東日本大震災で被災された方、社会福祉施設、病院、生活関連業種等を対象に減免措置を実施しています(申請が必要です)。減免措置を今後も継続し、必要な方への配慮を行います。
Q8.今後も下水道使用料の改定が必要になるのですか
今後は、経営戦略で定めたロードマップに基づき、5年ごとに下水道使用料の見直しを検討します。次回は2031年度以降の使用料について、経営状況や財政見通しを踏まえて、改定の必要性等を検討する予定としています。(詳しくは、経営戦略「第8章 経費回収率向上に向けたロードマップ」を参照)
