展覧会年間予定
2024年度展覧会予定
春季展覧会:57577展2nd(終了しました)
- 2024年4月20日(土曜日)から6月23日(日曜日)まで
2020年世界中に広がったパンデミック、ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルとハマスの衝突、それぞれが影響し合いながら複雑に絡み合う構造の中で、世界は進むべき道を見つけることができないまま分断を深めています。そしてパンデミック到来とともに進んだデジタル化は、こうした分断や分離を加速させる一方、文化活動においては、いつでも、誰でも参加でき、これまでのしがらみなど一切関係なく世界とつながることができる新たな関係づくり、表現の場を創り出しました。リアルに伝えることができなくても、デジタル上の表現を介して誰かの心の深い部分に届けることができる、誰かの気づきや心の支えになる、作品を発表することによって関係性を構築できる、こうした新たな可能性は若い人たちの創作意欲を喚起しています。
本展は1stに続いて57577の31音で表現される短歌をテーマに双方向的つながりを創造する試みです。そこでは新たな時代の表現を追求し、体現している歌人たちと一緒に31音の魅力に目を向けるとともに、短歌と関わりのなかったような人たちが創作の魅力に触れる方法を見出すことに挑戦します。それが文学展の新たな可能性を拓くとともに、短歌の持つ潜在的な力を示す機会となれば幸いです。
夏季展覧会:チリとチリリ ―どいかや絵本の世界展(終了しました)
- 2024年7月20日(土曜日)から9月23日(月曜日・祝日代休)まで
「チリチリリ チリチリリ…」と自転車に乗って不思議な世界を冒険するおかっぱあたまのふたり組、チリとチリリ。森の音楽会で動物たちと歌をうたってステキなひとときを過ごしたり、夜の森で不思議なお祭りを楽しんだり、海のなかを探検して宝物の山をみつけたり…。自転車という身近な乗り物が不思議な世界に連れて行ってくれ、日常のその先に「ワクワク・ドキドキ」が待ちうけていること、日常のなかに「ワクワク・ドキドキ」が隠れていることをチリとチリリが教えてくれます。
本展では、「チリとチリリ」シリーズを中心に、絵本作家・どいかやさんの絵本の世界をご紹介します。自然や小さな生き物たちをいとおしむように描く、繊細で優しい原画とともに、展示室に広がる不思議な世界で「ワクワク・ドキドキ」を楽しんでください。
秋季展覧会:没後1周年 森村誠一展 「小説(ミステリ)」を生きた男の肖像
- 2024年10月19日(土曜日)から12月22日(日曜日)まで
1970年代まで、日本の文壇の主流を占めていたのは「純文学」であり、ミステリやSFなど娯楽性の高い作品は「大衆文学」として軽んじられてきました。それから半世紀を経た現在、大衆文学は「エンタメ」と呼ばれ、今や日本の文学・出版界の中心を成しているといって過言ではありません。
こうした戦後ミステリの黎明期にデビューし、驚異の執筆ペースと圧倒的な人気によりミステリの地位を押し上げたのが森村誠一でした。大学時代は北アルプスを中心とした登山に明け暮れ、その後、ホテルマンを約10年経験してから作家となった森村にとって「本は売れなければ意味がない」ものであり、時世を反映し、出版社や編集者の需に応え、何より読者の期待に応じて生み出した400タイトルもの作品は、まさに「作家の証明」でした。
本展は森村没後1周年に合わせて開催する回顧展です。森村が作品の中で描いた魅力的な登場人物に焦点を当て、社会の歪みや人間の欲によって引き起こされる事件に向き合う姿に迫ります。また、作家は時代を写す存在だと語り、自らの老いまでも赤裸々に綴り亡くなる直前まで「小説家」でありたいと願ったその実像に迫ります。
冬季展覧会:落語 アハハハハ(笑)(仮)
- 2025年1月18日(土曜日)から3月23日(日曜日)まで
江戸時代の日本で生まれ、現在も高い人気を誇る伝統的な話芸のひとつ”落語”。新宿末廣亭や浅草演芸ホールなど老舗の寄席は、週末ともなると笑いを求める多くのファンで賑わっています。一方で古くから続く師弟関係をもとに、前座、二ツ目、真打ちへと進む独自の昇進制度と彼らを支える周囲の人たちとの関係も、伝統芸能としての”落語”の大きな魅力のひとつで、近年でも落語家を目指す若者たちの成長の物語が小説や映画、ドラマ、マンガなどで描かれ人気となっています。
本展では「芝浜」、「死神」など誰でも一度は名前を聞いたことがある古典落語の代表的な”噺”の魅力に加え、小説やマンガに描かれて人気を博す落語家たちの人生や人間模様を取り上げることで、日本独自の”落語”の愉しさをお伝えしたいと思っています。
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