平成29年度(2017年度)施政方針

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更新日:2018年10月24日

平成29年(2017年)第1回市議会定例会が開会され、石阪市長は2月28日の本会議で施政方針を表明しました。
ここでは、その全文を掲載します。

はじめに

2017年第1回市議会定例会の開会にあたり、新年度の施政方針を申し述べさせていただき、議員各位並びに市民の皆様のご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2017年度の市政運営の視点

まず、市政を取り巻く状況について、私の認識を申し述べさせていただきます。

  • 行政サービスのかたちを変える時代
    いま、大きな変化の時代が始まろうとしています。グローバル化、若者たちの意識の変化、情報通信技術の進化など様々な要因が絡み合い、複雑化していく社会において、価値観の転換やライフスタイルの多様化が加速度的に進んでいます。行政分野においても、誰もが経験したことのない高齢化社会を目前に控え、社会保障給付を持続可能なかたちに変えていくことや、これまで行政が担っていた公共サービスを、意欲と能力がある多様な主体と協働で実施していくことに取り組む必要があります。これまでの行政サービスのかたちを変えることが必要とされる時代となっています。
  • 東京圏全体が人口減少社会の入り口に立っている
    町田市未来づくり研究所の推計では、町田市の人口は2020年頃から減少が始まるとしています。2030年頃からは、町田市を含む東京圏全体で本格的な人口減少時代に突入することが予測されています。これからの15年、30年は、住民の高齢化と生産年齢人口の減少が同時に進んでいくことに加え、高度成長期に作られたインフラや公共施設の老朽化が進行していきます。
  • 未来への投資と公共サービス改革
    町田市を取り巻く環境が大きく変わっていく中、今般、町田市基本計画「まちだ未来づくりプラン」の後期実行計画である「町田市5ヵ年計画17-21」を策定いたしました。この計画は、人口減少・超高齢化に真正面から挑戦する計画です。都市間競争から一歩抜きんでる町田市ならではの人口減少対策を展開してまいります。人を惹きつける都市の新たな魅力と、時代のニーズに適合した公共サービスの新たなかたちを創り上げるために、未来への投資と公共サービス改革を実行してまいります。未来への投資については、若者に魅力的な住環境の整備や立地・資源を活かした町田市固有の魅力の創出に重点的に取り組んでまいります。
  • 子育て世代から選ばれるまち
    若者に魅力的な住環境の整備としては、子育て世代から選ばれる「子育てしやすいまちだ」「子育てが楽しいまちだ」を、次のステージへ飛躍させる取り組みを進めてまいります。保育所や認定こども園等の整備による保育サービスの拡充や、子どもの多様な活動を育む放課後子ども教室、冒険遊び場、子どもクラブ等の整備を進めてまいります。また、小中学校では、子ども達の学力・体力の向上やICT環境の充実等に重点的に取り組んでまいります。
  • まちの活性化と賑わい、暮らしの潤いの創出
    立地・資源を活かした町田市固有の魅力の創出については、都市の機能のリニューアルに大胆に取り組んでまいります。副次核である南町田駅周辺、鶴川駅周辺を、交通や商業の拠点としてだけではなく、緑や賑わい、観光、スポーツなど、地域の特性に応じた、多機能な地域の拠点としていきます。そして、人々の交流や活動、町田にしかない魅力的なものが生み出されるまちとなるため、まちの多様な魅力を創り出していきます。その先導として、3つの豊かな地域資源、町田薬師池公園四季彩の杜、芹ヶ谷公園芸術の杜、野津田公園スポーツの森に、それぞれ観光、芸術、スポーツの拠点とするための重点投資を行ってまいります。暮らしに身近な場所で、トップスポーツやトップレベルの文化・芸術に触れることができるまちとなる。そして、その大きな波及力がまちを活性化し、賑わいを生み出し、暮らしに潤いを与える、そして新たな雇用を生む。そうした新たな循環を創り出してまいります。中長期的な町田の発展の鍵となるのが、多摩都市モノレールの町田方面延伸、小田急多摩線の延伸であると考えております。特に、多摩地域を南北に結ぶモノレールの延伸実現は、人口減少・超高齢化が進む中にあっても、町田が活力あふれるまちであり続けるための、生命線のようなものだと感じております。その効果は、交通の利便性が高まるということだけではなく、中心市街地の新たな賑わいの創出やまちの更新、団地再生への大きな契機となるなど、非常に多岐に渡るものであると考えております。
  • オリンピック・パラリンピックを契機としたまちの魅力向上
    新たな5ヵ年計画におけるもう一つの重要な視点は、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催です。東京が生まれ変わるこのタイミングが、都市の力を高め、その先の町田の未来への道筋を明らかにする絶好の機会と考えております。2018年の市制60周年、2019ラグビーワールドカップ、2020年のオリンピック・パラリンピックの3ヵ年を、スポーツの分野だけではなく文化・経済・観光等のあらゆる分野における発展の契機としたいと考えております。市民・企業・行政が、「オール町田」で協力して、まちの魅力向上や地域活性化に取り組み、シティプロモーションしていくことで、まちへの愛着・誇りや町田市への関心・憧れを醸成していきたいと考えております。

東京2020オリンピック・パラリンピックフラッグツアー 町田市開催記念パレードの写真東京2020オリンピック・パラリンピックフラッグツアー 町田市開催記念パレードの様子

  • 公共サービスの新たなかたちの創出
    続きまして公共サービス改革についてです。今後、構造的収支不足の拡大とともに財政状況が厳しくなる中にあっても、高度化・多様化する市民ニーズに応えるためには、公共サービスを時代にあった新たなかたちに作り変えていかなければなりません。今後5ヵ年において、公共サービス改革として、2つの柱を掲げ、取り組んでまいります。
  • 市役所の生産性の向上
    1つ目の改革の柱は、市役所の生産性の向上です。市役所が担う公共サービスを効率的・効果的に展開するためには、市役所の能力を高めるとともに、市役所の生産性を向上させなければなりません。現在市が行っている事務事業について、同規模自治体との業務比較を実施し、業務の流れややり方を抜本的に革新するビジネス・プロセス・リエンジニアリング(BPR)に取り組んでまいります。また、ICTや民間委託等を積極的に活用し、これまで以上に質の高い行政サービスを効率的・効果的に提供することで、職員定数を今後5年間で130人削減し、人件費の縮減につなげます。
  • 行政サービス改革
    2つ目の柱は、公共施設における行政サービスの改革です。町田市では、公共施設の約半数が築30年以上経過し、老朽化が進んでいます。全ての施設をこのまま維持した場合、今後10年間の維持管理経費は、これまでの10年間と比較して1.8倍となり、年平均で約125億円が見込まれ、維持管理経費の確保が困難になります。このため、今後40年先を見据えた「(仮称)町田市公共施設再編計画」を2017年度に策定し、中長期的な視点を持った公共施設の再編を進め、維持管理経費の縮減を図ります。また、この再編計画に基づき、長寿命化につながる修繕・改修計画を策定し、公共施設の適正な維持保全を図ります。また、この再編計画と整合を図りつつ、特に、市が直営で運用・管理している施設を対象として、本来市が担うべき役割や直接執行すべき業務を再整理します。その上で、民間で代替可能な機能への民間活力の導入を進めるとともに、複数ある施設や類似する機能を有する施設においては、集約化を図ります。こうしたことにより、運営コストの削減を図るとともに、更なるサービスの向上を目指します。
  • 15年先、30年先も選ばれるまちとなる
    この5ヵ年計画が描こうとしている未来は、人口が減少する中でも、まちが活気にあふれ、様々な年代の市民がそれぞれの価値観に沿ったライフスタイルを実現できる、夢を叶えられるまちです。15年先、30年先も魅力にあふれた「選ばれるまちだ」をめざして取り組んでまいります。

2017年度の主要な施策

続きまして、5ヵ年計画の初年度である2017年度の主要な施策について、「まちだ未来づくりプラン」の4つのまちづくり基本目標に沿ってご説明いたします。

まず、1つ目のまちづくり基本目標「将来を担う人が育つまちをつくる」についてです。

  • 子どもの居場所づくりの新展開
    放課後の子どもの見守り事業である「まちとも」の事業内容を一新し、5ヵ年計画の期間内に、すべての小学校で、「新たな‘まちとも’」事業を実施します。これまでの「まちとも」は放課後の外遊びの見守りが中心のため雨天時は中止となり、回数や内容も学校ごとに異なっていました。これから始める「新たな‘まちとも’」は、学校や地域を主体とした運営協議会が運営し、学校がある日も夏休みも、雨の日も実施していきます。ここでは、遊びや勉強など、様々な活動に参加することができ、放課後が、「安心で」「いつでも」「自由に」「楽しく」過ごせる空間となります。学童保育クラブに入会している子どもも自由に参加することができるよう一体的に事業を展開します。2017年度は、先行して10校で実施します。また、町田第三中学校区域内に建設中の子どもクラブが2018年1月に開所することから、次の小山中学校区への整備に着手します。さらに、子どもの豊かな遊びの場として芹ヶ谷公園、鶴川中央公園に続き、市内で3番目となる常設の冒険遊び場を小山田地域にオープンします。町田市では、子どもセンター5館の整備が完了し、中学校区に整備する子どもクラブや、公園内の「常設型冒険遊び場」、これから展開する「新たな‘まちとも’」など、子どもの居場所の選択肢が広がります。また、待機児童解消に向け2018年4月までに保育所の定員を225人増やします。認定こども園、保育所、小規模保育所など状況やニーズに応じた選択が可能となるよう、教育・保育施設の整備を進めていきます。そして、交通利便性の高い駅周辺に送迎保育ステーションを新設し、駅周辺と教育・保育施設を繋ぐことで子育てしやすい環境を整備します。
  • 学校教育環境の充実
    小中学校では、児童・生徒がよりよい学びができるよう、教育環境の整備を進めてまいります。町田第一中学校の建替へ向け、2017年度は実施設計を行います。建替後の校舎は校舎前面に交流テラスを設けたり、地域開放を考慮した教室配置を行うなど、将来のさまざまなニーズに対応が可能な施設構造といたします。新校舎使用開始は2021年9月、グラウンドの整備も含めた全体工事の完了は2022年3月を予定しております。また、小中学校の老朽化したトイレの更新及び洋式化については、これまで継続して行ってまいりましたが、2017年度に小学校4校・中学校6校の工事を行うことですべての学校で完了いたします。特別教室の空調設備について、これまで図書室や音楽室など一部の教室にのみ設置してきたところですが、今後は、すべての特別教室に設置していきます。2017年度は中学校12校に整備し、すべての中学校の整備が完了します。また、児童・生徒の学習意欲を高め、課題を見出し解決する力を育てるため、学校のICT環境を充実させていきます。2017年度は小・中各1校をモデル校に指定して、タブレットやプロジェクタ等を配備し、ICTを活用した効果的な授業の実践と研究を行います。

タブレット端末を使った授業の写真タブレット端末を使った授業の様子

次に2つ目のまちづくり基本目標、「安心して生活できるまちをつくる」についてです。

  • 2025年に向けた地域包括ケアシステムの構築
    団塊の世代が後期高齢者となる2025年を目標として、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けるため地域包括ケアを推進していきます。本年4月から「町田市介護予防・日常生活支援総合事業」が始まります。これまで介護事業者が要支援者に提供してきた訪問介護・通所介護サービスについて、介護事業者に加え、地域活動団体や保健医療専門職などの多様な主体による提供が可能となります。利用者にとって利用できるサービスの選択肢が増えることになります。また、この事業は、健康づくりや介護予防を重視したものとなっており、地域の仲間と気軽に参加できる場の創出等に取り組んでまいります。
  • 介護人材の育成
    また、介護人材の確保や育成に重点的に取り組んでまいります。現在の介護従事者の有効求人倍率は約4倍となっており、人材確保が難しい状況です。国の試算では、2025年には介護人材が38万人不足するといわれています。町田市では、2011年度に、介護人材の育成や就労継続を支援するために町田市介護人材開発センターを設立し、先進的に介護人材の確保や育成に取り組んできました。2016年度には、50歳以上のアクティブシニアを介護の担い手として育成し、新たに立ち上げた介護人材バンクに登録して就労につなげる取り組みをスタートしました。今後も、介護人材の安定的な確保のために、町田市独自の介護人材バンク事業を展開してまいります。
  • 体感治安の向上
    安全・安心まちづくりについては、2016年12月に改定した町田市安全安心まちづくり推進計画に基づき、市民の体感治安を向上させるための取り組みを強化していきます。町田市の刑法犯認知件数は、2012年に4493件であったのが、2016年は3403件、マイナス24%と大幅に減少しています。しかし、2016年に市内で発生した振り込め詐欺等の被害額は約2億円となっており、多摩26市の中で一番、被害額が多いという統計もあります。東京都や警視庁と協力して、特殊詐欺根絶イベントin町田などの大規模なイベントの実施や防災行政無線を活用した取り組みなどにより、被害防止に重点的に取り組んでまいります。

各地域の方による防犯パトロールの写真各地域の方も防犯パトロールを実施

  • 玉川学園コミュニティセンターの建替え
    2017年度に、玉川学園コミュニティセンターの建替工事に着手します。コミュニティセンターの改築と合わせて、駅からのアクセス向上、また地域のバリアフリーを実現するために、玉川学園前駅の駅舎とコミュニティセンターとを接続するデッキを新たに整備します。

次に3つ目のまちづくり基本目標、「賑わいのあるまちをつくる」についてです。

  • スポーツを通じたまちづくり・ひとづくり
    昨年は、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックが開催され、日本選手の活躍で大いに盛り上がりました。町田市出身の選手では、パラサイクリングの鹿沼選手、陸上長距離の大迫選手や関根選手、体操の内山選手といった選手が活躍し、市民に勇気と誇りを与えてくれました。町田市は、2019年のラグビーワールドカップ、東京2020オリンピック・パラリンピック大会双方のキャンプ地会場として立候補し、開催に向けた気運を高めていきます。世界トップレベルの技術を多くの市民、子どもたちに間近で感じてもらい、子どもたちの将来の夢につながってくれればと考えております。町田市では、「スポーツで人とまちが一つになる」という基本理念を掲げてスポーツ振興に取り組んでいます。スポーツが盛んなまちという強みを市内外にブランドとして確立することで、地域のつながりと健康寿命の向上、定住・交流人口の増加、地域経済の活性化など、様々な課題の解決につなげられます。スポーツの持つ大きな力をまちづくり、ひとづくりに活かしていきたいと考えております。
  • 野津田公園スポーツの森の魅力向上
    現在、野津田公園スポーツの森では、FC町田ゼルビアのホームゲームやラグビートップリーグなど大規模なスポーツ大会が開催され、町田の「みる」スポーツの中心的な場所となっております。2017年度は、新たにカラー映像・動画・リプレイ映像の表示ができる大型映像装置を整備することで、臨場感を高め、楽しい空間を演出し、スタジアムとしての魅力を一層高めてまいります。また、FC町田ゼルビアのJ1昇格も見据え、観客席数を15,000席とする増設計画も進めます。2017年度は基本設計を行います。
  • 観光拠点の整備
    続きまして、町田薬師池公園四季彩の杜整備についてです。町田薬師池公園四季彩の杜は、2020年度のオープンを目指して西園の整備工事に着手するとともに、西園内に設ける四季彩の杜ゲートハウスの実施設計を行います。四季彩の杜ゲートハウスには、案内所やレストラン、カフェ、大型バスの駐停車スペースの確保等に加え、地元でとれた野菜や加工品等の地産品の直売所を設け、町田の「農」を発信する機能も導入します。
  • 中心市街地の交流・賑わいの創出
    次に、芹ヶ谷公園芸術の杜再整備についてです。芹ヶ谷公園芸術の杜は、中心市街地からの回遊性が高く、中心市街地への来訪者を増やすという中心市街地のまちづくり全体から見ても大きなポテンシャルをもった資源と言えます。昨年3月に策定した「芹ヶ谷公園再整備基本計画」に基づき、魅力を一層高め、中心市街地のにぎわい・交流の創出につながる再整備を進めていきます。この再整備計画は、2期に分けて行い、2017年度は、第1期の整備区域である都営住宅跡地整備の実施設計を行うとともに、小田急線側の密集した樹木の間伐を行い、明るい公園空間を創出します。

最後に4つ目のまちづくり基本目標、「暮らしやすいまちをつくる」についてです。

  • 南町田駅周辺の新たな暮らしの拠点整備
    南町田地区では、町田市と東急電鉄が共同で進める「拠点創出まちづくりプロジェクト」を本格的に展開していきます。本年1月に本プロジェクトの最大の特色である行政と民間事業者との共同施行による区画整理事業に着工いたしました。行政と民間、双方の強みを最大限に生かしたこの取り組みは、これからの駅周辺のまちづくりのモデルとなる事業と考えております。2017年度は、新しい商業施設、駅施設、南北自由通路の整備工事を開始します。また、駅の北側では、4月に北口駅前広場がオープンし、路線バスやタクシーはすべて、駅前広場から便利に利用いただけるようになります。これにより、市内外にアクセスしやすく、また、鉄道や空港バスを利用して広域からも訪れやすい、拠点としての魅力が一層高まるものと考えております。
  • 便利で賑わいのある鶴川駅前空間の整備
    次に、鶴川駅周辺のまちづくりについてです。町田市の東の玄関口である鶴川駅周辺は、水とみどりに囲まれ、川崎市、横浜市などこの一帯の拠点として町田市の文化、交流の核となっています。2016年12月に公表した「鶴川駅周辺再整備基本方針」に基づき、北口広場の再整備、香山緑地の整備、駅南側の市街地整備、南北自由通路、小田急電鉄による駅舎改良、川崎市と連携した南口へのアクセス路整備など、駅周辺の整備を地元地権者、小田急電鉄と共に進めてまいります。2017年度は、南北自由通路及び、南口土地区画整理事業の調査や測量などを進めます。新たなまちづくりにより、「安全で便利な交通」と「快適で賑わいのある駅前空間」を実現することで、南町田につづき、町田市の副次核にふさわしい活力と魅力にあふれる選ばれるまち鶴川を目指してまいります。
  • 空家の公共公益的な利活用の推進
    空家対策にも引き続き、積極的に取り組んでまいります。全国的に空家が増加するなか、町田市の空家は17,360戸、空家率は7.7%となっております。これは、東京都全体の11.1%よりも低く、多摩26市の中でも最も低い空家率となっております。2016年度から、空家の発生予防に重点をおいて取り組みを進めております。戸建住宅の所有者などに対する空家セミナーを実施し、相談窓口を開設するなど、総合的な空家対策の推進に取り組んでおります。2017年度は、新たに空家を地域活性化施設に改修した際の助成制度を設け、町内会の集会所等の公共公益的な利活用の促進に取り組んでまいります。
  • 資源循環型施設整備の推進
    続きまして、新たな資源循環型施設整備です。昨年は、施設の建設からその後約20年間の管理運営を包括的に行う事業者を選定し、12月に施設整備工事の契約を締結いたしました。施設の完成は2021年度を予定しており、2017年度は、敷地造成や既存管理棟の解体といった工事に着手します。新たな施設は、首都圏では初めてとなる生ごみ等のバイオガス化施設を併設する施設です。ごみとして処理する量の減量を前提に、焼却能力を現在の施設よりも4割縮小しています。また、この施設は、ごみ発電とバイオガス発電の組合せで、高効率の発電が可能となり、災害時にも対応できるエネルギーセンターとして機能します。
  • 環境先進都市の実現
    近年、地球温暖化対策として水素エネルギーの活用が注目されています。町田市では、昨年の燃料電池自動車(FCV)の導入に続き、2017年度は、さらにトレーラーによる移動式の水素ステーションを誘致します。これにより、燃料電池自動車導入の環境を整備するとともに、水素社会の実現に向けた普及、啓発を行います。とりわけ未来を担う子どもたちには、イベントや体験学習を通じて、最先端の技術に触れてもらい、町田から、日本の未来を先導する技術者が育ってもらいたいと思います。環境の保全や自然と共生し、「暮らしやすさ」を実現する都市となることは、町田市に住むことの大きな魅力の一つとなると考えております。今後も、水素関連をはじめ、環境に関する先進技術、産業が集積する「環境先進都市」を目指してまいります。

燃料電池自動車「ミライ」子ども向け展示会の写真燃料電池自動車「ミライ」子ども向け展示会の様子

以上のような考え方で編成いたしました2017年度の当初予算案の規模は、一般会計、1,461億5,702万1千円、特別会計、1,216億7,677万4千円、合計、2,678億3,379万5千円となっております。昨年度の当初予算と比べ、約2%の増となっております。

むすびに

町田市基本計画「まちだ未来づくりプラン」の前期計画である「町田市新5ヵ年計画」では、将来のまちのあるべき姿を見据え、未来へ向けてのいわば「種蒔き」を進めてまいりました。この度の新たな5ヵ年計画では、「種を蒔き、芽が出ている」事業や取り組みを、しっかりとした「幹」に育て、未来へつないでまいります。町田市に住みたい、住み続けたい。そう思っていただける「選ばれるまちだ」に向け、いまやらなければならないこと、やれることは先送りすることなくすべてやる覚悟です。未来は予想できませんが、未来は選択でき、未来は創造できるものです。混沌とした時代だからこそ、我々は「こういうまちをつくりたい」と「次の時代への挑戦」を語らなければなりません。まちなみ、賑わい、自然のたたずまい、農のある風景、そして何よりも地域の市民の力は、かけがえのない本市の財産です。そしてこれらは、まだまだポテンシャルを秘めています。その力を最大限に発揮させ、市民の皆様とともに理想の未来を築き上げていく所存です。議員各位並びに市民の皆様のご理解、ご協力を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。

以上、新年度の施政方針を申し述べさせていただきました。ありがとうございました。

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