平成25年度(2013年度)施政方針

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更新日:2013年2月28日

2013年第1回市議会定例会の開会にあたり、新年度の施政方針を申し述べさせていただき、議員各位並びに市民の皆様のご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2013年度の市政運営の視点

今、世界は大きな競争の時代を迎えております。これまで町田市を含む東京圏は、高い競争力を維持してきました。しかし近年、シンガポールや上海などのアジアの都市が急速に力を付け、東京を脅かす存在になりつつあります。
また、我が国では人口減少社会に突入しており、2011年度の人口は、対前年比で約21万人減少したとされています。今後、人口減少のペースは更に加速することが見込まれ、町田市においても将来にわたって人口減少に対する様々な対応が必要になると考えています。
こうしたことを踏まえ、都市の魅力を高め、「人・モノ・文化が交流し、常に進化し続けるまち」をつくるため、昨年、町田市基本計画「まちだ未来づくりプラン」をスタートさせました。その中でも、「未来づくりプロジェクト」は町田市が将来にわたって選ばれるまちであり続けるための重要な取り組みであり、今後の市政運営においてぶれることのない基本的な軸として、着実に取り組み続ける必要があります。
そこで2013年度の市政運営の視点を「誰もが憧れる都市を目指して」として「まちだ未来づくりプラン」、「町田市新5ヵ年計画」を推進してまいります。

2013年度の重要な取り組み

それでは、新年度の重要な取り組みについて、ご説明いたします。

最初に、昨年から検討を始め、いよいよ実行段階へと移る5つの「未来づくりプロジェクト」についてです。
1つ目は「地域社会づくりを基本とするまちづくりプロジェクト」です。
この度、市内で活動している市民活動団体等の意見を踏まえ、新たな地域社会づくりを進めるための「町田市『協働による地域社会づくり』推進方針」を策定いたしました。
2013年度は、この方針の考えを受けて、地域のことは地域で決めるための仕組みづくりを進めます。その中で既に活動を始めている3地区に補助金を交付し、活動を支援してまいります。また、準備が整い次第、市民センターに地域の相談窓口を設置し、地域の課題に応えるとともに、新たな地域社会づくりを進めてまいります。

2つ目は「町田駅周辺の魅力を向上させるプロジェクト」です。
これまでは、中心市街地とりわけ重点検討地区として位置付けている小田急町田駅周辺地区や、原町田一丁目地区及び原町田三丁目地区における課題整理や、魅力向上のために必要な機能等について検討を行いました。
2013年度は、プロジェクトの具体化に向け、重点検討地区における市街地整備の方向性の検討や中心市街地全体の整備構想の策定を行います。
また、中心市街地の魅力を高めるため、長年の懸案事項であったコンベンションホールについても、求められる機能や、規模を想定するための基本的な調査を行い、整備に向けた検討に着手いたします。

3つ目は「団地再生に向けたプロジェクト」です。
これまでは、団地居住者に対するアンケートやグループヒアリングを行い、20年後を見据えた団地再生基本方針の策定作業を進めてまいりました。
2013年度は、既にモデル地区としてスタートしている木曽山崎団地地区を始め、団地周辺地域も含めた地域ごとの特性に応じた課題を調査し、取組み方針などについて検討する地域の協議会を順次立ち上げます。

4つ目は「みどりを活用したまちづくりを推進するプロジェクト」です。
これまでは、薬師池公園周辺及び、七国山周辺地域の魅力向上に向け、地域全体の統一コンセプトや事業について検討を行いました。
2013年度は、景観作物の栽培や園路整備などを行い、薬師池西公園を部分開園いたします。また、農産物の販売や飲食、休憩などができる施設の在り方を検討いたします。

そして5つ目は「基幹交通機能を強化するプロジェクト」です。
これまでは、市内のバス路線やバス乗り場などに関する課題整理や、幹線・支線バスの導入に向けた基礎調査を行いました。
2013年度は、路線が多く複雑なバス乗り場や系統を案内する、「デジタル案内表示器」を町田バスセンターなどへ設置するほか、将来のバス路線網再編に向けた調査・検討をいたします。
また本年2月に、多摩都市モノレールの町田方面延伸に向けた協議会を立ち上げました。今後この協議会とともに、多摩都市モノレールの延伸に向けた取り組みを進めてまいります。

「未来づくりプロジェクト」以外の新年度の重要な取り組みについては、まず「町田市未来づくり研究所」の創設についてです。
町田市民の生活や企業の活動は、市内だけで完結するものではなく、東京や日本、更には世界と密接な関わりを持っています。今日、世界の至るところで、経済状況や自然環境などが刻々と変化しております。こうした変化にいち早く対応し、町田市にふさわしい政策や施策を打ち出すには、世界の中での日本、その中での町田市と言った広い視点で物事を捉えることや、これからの社会情勢の変化も見据えて考える必要があります。
そこで、政策形成能力の向上と、将来の社会構造を見据えた対応力を形成するため、社会動向や経済動向を調査・分析し、新たな政策や施策の提言を行うための政策形成集団として「町田市未来づくり研究所」を創設いたします。

重要な取り組みの2点目は、資源循環型施設についてです。
町田市では、ごみの有料化、戸別収集、剪定枝資源化センターの設置など、ごみの減量化や資源化に向けた様々な取り組みを行ってまいりました。そして、2011年4月に、環境負荷の低減を図り、地域と共生する持続可能な循環型社会の実現を目指して、町田市の一般廃棄物処理の基本となる「町田市一般廃棄物資源化基本計画」を策定いたしました。
この基本計画の実現に向けて、「町田市資源循環型施設整備基本計画検討委員会」を設置し、新たなごみの資源化施設整備基本計画の策定に向けた、施設の規模や型式などの基本的な考え方や、建設候補地の選定について検討を重ねてまいりました。この委員会からの報告を受け、本年2月に市として、新たな「ごみの資源化施設」の在り方と建設地の選定をいたしました。
まず、焼却施設、バイオガス化施設などを一体整備する「熱回収施設等」は、「町田リサイクル文化センター」敷地内に整備したいと考えます。
また、ビンカン選別処理、プラスチックの中間処理施設などで構成する「資源ごみ処理施設」は、収集車の台数や移動距離を削減し環境への負担軽減が図られることや、施設の代替性と補完性を備えられること、そして地域住民のごみの資源化に関する意識の向上を促す拠点として、市内3箇所に分散化し整備を図ります。
具体的には、「相原エリア」に整備を進めるとともに、「上小山田西部エリア」においては、地域のまちづくりに配慮しながら協議を進めてまいります。
更に、鶴間にあります、ごみの中継基地「リレーセンターみなみ」に、プラスチック中間処理機能の追加を進めてまいります。
今後、2020年の稼動を目指し、周辺にお住まいの皆様と話し合いを進めながら取り組んでまいります。

2013年度の主要な施策

続きまして、新年度の主要な施策について、町田市基本計画「まちだ未来づくりプラン」の4つの「まちづくり基本目標」ごとにご説明いたします。

最初に、「将来を担う人が育つまちをつくる」についてです。
これまで、20年間期間限定認可保育所の開園により、保育所の入所定員を増やしてまいりましたが、待機児童の解消には至っておりません。
また、子育て中の親が子育てに関する悩みについて、家族以外に相談する機会が少なくなっており、子育てしやすい環境を整備することが求められています。
更に、市の学校は、建築後40年以上経過した施設が半数ほどあり、その対応が求められています。
そこで、保育所や幼保連携型認定子ども園の整備支援、家庭的保育者の増員を行い待機児童の解消に努めます。
また、公立保育園内に子育て関係施設のネットワークの拠点となる地域子育て相談センターを設け、子育て家庭の身近な相談業務や、関係機関と協力した出張子育て相談事業などを実施してまいります。
更に、「子どもセンター基本構想」に基づき、地域の子どもたちの「成長・発達」、「あそび」及び「子育て支援」の拠点として、2014年1月に、市内で4館目となる子どもセンターを忠生地域にオープンします。また、町田地区の子どもセンターについても2016年度のオープンを目指し、基本設計及び実施設計に着手いたします。
また、老朽化した学校施設については、改修による長寿命化を図り、順次対応してまいります。その中でも鶴川第一小学校は、今後も学級増が見込まれ、改修による長寿命化だけでは対応ができないため、昨年度に引き続き基本・実施設計を行い、2015年度の工事完了を目標に改築を行います。

2点目は、「安心して生活できるまちをつくる」についてです。
東日本大震災を機に、地域における助け合いの重要性が再認識されました。そのため、地域で住民相互の助け合いの関係を築くための環境づくりが必要です。
更に、高齢化の進展に伴い、市内でも高齢単身世帯が増加しています。そのため、高齢者が地域で安心して暮らすことができる仕組みづくりが必要です。
また、市民の皆様が安心して生活するには、災害時に備えた対応として、市民の皆様に正確な情報を伝達することや、緊急車両の通行帯の確保などが不可欠となっています。
そこで、2013年度に建替えを始める忠生市民センターに、人と人がつながり地域を支えるための拠点となる地域活動室や、地域情報・市民活動情報の発信の場となる交流スペース、地域の方々の相談窓口を設置いたします。
更に、地域での高齢者支援体制を強化するため、町内会・自治会のご協力をいただきながら、民生委員や高齢者支援センターと連携し、高齢者見守り支援ネットワークを新たに2ヶ所整備いたします。
また、災害時の対策として、防災無線の無線局を順次デジタル化するとともに、屋外拡声子局の増設等を行い、無線難聴地帯を解消します。そして、緊急輸送道路沿線の建築物の耐震に対する診断、設計、工事への補助や、下水道の重要幹線の耐震化や長寿命化にも取り組んでまいります。
更に、市民の皆様の安全で平穏な生活を確保するために、今議会に「町田市暴力団排除条例」を上程し、5月の施行を目指しております。今後は、市民、警察、暴力団追放運動推進都民センターなどと連携しながら、暴力団のいない安全・安心のまちづくりを進めてまいります。

3点目は、「賑わいのあるまちをつくる」についてです。
今年は「スポーツ祭東京2013」が開催されます。「スポーツ祭東京2013」とは「第68回国民体育大会」と「第13回全国障害者スポーツ大会」の総称です。
町田市での開催競技は、国民体育大会としてのサッカー、バレーボール、軟式野球、バドミントンの4種目です。更に「デモンストレーションとしてのスポーツ行事」として、レクリエーションダンスを行います。文化プログラムとしては、国際版画美術館や博物館などを中心に事業を進めてまいります。
また、「全国障害者スポーツ大会」としてバドミントンが開催されます。
この「スポーツ祭東京2013」には、全国から多くのお客様が訪れるため、町田市の魅力を発信する大きなチャンスとなります。素晴らしい思い出を持ち帰っていただけるよう、「おもてなし」の気持ちを持って、心から歓迎してまいります。
これに合わせ2013年9月にオープンする「町田市小野路宿里山交流館」では、地域の歴史や自然を紹介するほか、特産物の販売や、地域の魅力の発信に取り組んでまいります。
また、市民の皆様が気軽にスポーツに親しめる場としての「学校開放」は、今後ますます重要になります。そのため、学校開放利用者用専用のシャワールームや、トイレ、更衣室などを順次整備し、利便性の向上を図ります。
更に、ホームタウンチームであるFC町田ゼルビア、ASVペスカドーラ町田、キヤノンイーグルスを引き続き支援してまいります。中でも、FC町田ゼルビアについては、1年でJリーグに復帰できるよう、これまで以上に支援してまいります。

4点目は、「暮らしやすいまちをつくる」についてです。
「暮らしやすいまちをつくる」には、交通拠点として機能する駅前空間の整備や、幹線道路の整備など「誰もが移動しやすいまちづくり」を推進する必要があります。
町田市内の鉄道駅周辺ではバスターミナルの容量不足等、地域の交通拠点としての機能向上が課題となっています。
また、多摩地域の各都市と町田市を結ぶ南北方向の幹線道路など、広域的な道路網の整備も必要となっています。
鶴川駅では、駅南側の街づくりを進めるとともに、北側の駅前広場の拡充を図るため、基本方針の策定に取り組みます。
また、相原駅については、駅周辺の利便性の向上や賑わいの創出に向けて、2015年度の供用開始を目標に駅前広場の整備を行います。
そして、南町田駅においても、2016年度の供用開始を目標に、地下通路や地下駐輪場などを含めた駅前広場の整備に着手いたします。
更に、道路網においては、多摩都市モノレール構想路線のうち、導入空間として都市計画決定されていない、多摩市との市境から下小山田までの区間について、都市計画決定に向けた取り組みを進めてまいります。

以上のような考え方で編成いたしました2013年度当初予算案は、
一般会計、1,316億円、
特別会計、1,030億円、
合計、2,346億円、
となり、厳しい財政状況ではございますが、昨年度と同規模となっております。

むすびに

冒頭、申し上げましたとおり、我が国は、世界的規模での都市間競争の時代を迎えております。今、日本中の都市が、知恵を絞りながら自らの魅力を高めるための取り組みを行っております。近隣自治体では、企業誘致、市街地の再開発など、それぞれの自治体が、都市の強みを伸ばす、あるいは、都市として弱い機能を補うなど、様々な取り組みが行われています。
都市間競争を勝ち抜くためには、「住みたい」、「訪れたい」、「活動したい」と思えるような都市の魅力を他の都市以上に高めていくことが必要です。
この大きな目標は、行政の取り組みだけで達成できるものではありません。幸い町田市では、市民自らが地域の課題解決に取り組んできた歴史があります。この大きな財産を基に、市民、団体、事業者と協働して、多くの人々や企業から選ばれ続ける、魅力ある都市を築いてまいりたいと考えております。
議員各位並びに市民の皆様のご理解、ご協力を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。

以上、新年度の施政方針を申し述べさせていただきました。ありがとうございました。

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