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堀辰雄 しあわせのヒント展(2026年1月17日から3月22日)
「風立ちぬ」から90年 堀辰雄 しあわせのヒント展

風立ちぬ、いざ生きめやも――。この一文を冒頭に置いた堀辰雄『風立ちぬ』は、婚約者との療養生活のなかで愛と死を見つめながら、二人にとっての幸福を求めて生きる青年を描き、長くサナトリウム文学の白眉とされてきました。この作品が執筆された1930年代の日本には、自然災害や疫病といった、現代にも通底するさまざまな不安が漂っていました。こうした状況を背景に、文壇では文学表現の模索がおこなわれ、文学者たちはそれぞれの手法で、人間とは何か、人生とは何かを描き出したのです。
堀辰雄(1904-1953)もそうした作家の一人です。自ら結核を患いつつも人間の内面を深く見つめて執筆活動を続け、静謐な美しさのうちに強い生命力を秘めた作品を多く生み出しました。生に対する希望を持ち続けた彼の揺るぎない姿勢は、現代社会に生きる私たちに、しあわせに生き抜くためのヒントをもたらすでしょう。本展では『風立ちぬ』を基軸として、堀辰雄のことばと生活をたどりながら、私たちにとっての“しあわせ”を考えます。
会期
2026年1月17日(土曜日)から 3月22日(日曜日)
観覧時間
午前10時から午後5時
休館日
毎週月曜日(ただし2月23日は祝日のため開館)
2月12日(木曜日)
3月12日(木曜日)
観覧料
無料
協力
堀辰雄文学記念館、軽井沢高原文庫、旧富士見高原療養所資料館、立原道造記念会
主な展示資料
1 富士見高原療養所 開所時本館
2 堀辰雄手書きの軽井沢地図
3 野田書房版『風立ちぬ』(1938年)
4 1935年頃の堀辰雄
画像提供
1:旧富士見高原療養所資料館
2から4:堀辰雄文学記念館
