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展覧会年間予定
2025年度展覧会予定
春季展覧会:ことばのカタチ展(終了)
- 2025年4月19日(土曜日)から6月22日(日曜日)まで
日頃何気なく使っている「ことば」。毎日かわす挨拶のことばから、本や雑誌の文章、音楽のリリック、SNSにあふれる顔の見えないことばまで、私たちは様々なことばに囲まれて過ごしています。善意で発したことばが誤解されて悲しい思いをしたり、心無いことばに傷ついたり、何気なく言われたことばになぐさめられたり、本に記された一行のことばに励まされたり……という経験は誰もが思いあたるのではないでしょうか。
本展は、日頃あまり考えることのない「ことば」について思いをめぐらす展覧会です。おーなり由子さんの絵本『ことばのかたち』や鯨庭さんのマンガ『言葉の獣』、みっけさん・天野慶さんの『ことば図鑑』、KEN THE 390さんのラップ、谷川俊太郎さんの詩など、絵や音楽、そして「ことば」それ自体を通して、「ことば」が示すもの、その意味の奥にあるものに想像を広げてもらえればと思います。「ことば」の前に立ち止まり、あなたにとっての「ことばのカタチ」をみつけてください。
夏季展覧会:絵本の森でフルーツ狩り
(c)Kazuaki Takashima
- 2025年7月19日(土曜日)から9月21日(日曜日)まで
りんごにみかん、いちごにさくらんぼ、すいか。あなたが最初に食べた〈くだもの〉は何ですか?
「たべること」に興味・関心を持ち始める小さなお子さんから、子育て中の保護者の皆さんに向けて〈くだもの〉をテーマにした絵本の展覧会を企画しました。〈くだもの〉絵本の代表作品を選んで、展示室内で「フルーツ狩り」を体験するような趣向で展示室を構成予定です。子どもたちを「絵本の森」へ誘うガイド役として、ファッションデザイナー・高島一精の生んだキャラクター〈マロン〉を招聘、マロンが〈くだもの〉について一緒に学ぶおともだちの役割を担います。
注記:高島一精さんの「高」は正しくは「はしごだか」
秋季展覧会:サニーデイ・サービス 曽我部恵一展 -Lovers of wordsー
(c) 曽我部恵一 ROSE RECORDS
- 2025年10月18日(土曜日)から12月21日(日曜日)まで
1992年の結成以来、若者たちの日常の出来事や心の機微を穏やかなロックサウンドにのせ、音楽好きに愛されてきたサニーデイ・サービス。作詞・作曲を担当する曽我部恵一(Vo&Gt)が生み出す世界観は唯一無二の音楽性を誇っています。また、曽我部の活動はバンドだけにとどまらず、ソロとして、楽曲提供やプロデューサーとして、時には文筆家としても多くの人々を魅了してきました。更に、彼自身が「僕の場合、曲うんぬんよりも、言葉が良ければOKなんですよ」と語るように、音楽における“詞の大切さ”を体現するミュージシャンとして、各方面から評価されてきました。曽我部が1stアルバム「若者たち」で、日本のロックシーンに新風をもたらしてから30年。これまで生み出した作品の幅広さ、膨大さゆえ、その全体像を捉えるのは容易ではありません。
そこで、本展では彼が大事にする音楽における“詞”をコンセプトに、現在の活動とそこに至るまでの軌跡をご覧いただき、彼の作品の魅力に迫りたいと思います。曽我部恵一の紡ぐ一曲一曲のことばと改めて向き合うことで、わたしたち一人ひとりが、“歌”における“歌詞”の存在について考える機会となれば幸いです。
冬季展覧会:(仮)『風立ちぬ』から90年 堀辰雄展 しあわせに生きるヒント
提供:堀辰雄文学記念館
- 2026年1月17日(土曜日)から3月22日(日曜日)まで
風立ちぬ、いざ生きめやも――。このあまりにも有名な一文を冒頭に置いた堀辰雄『風立ちぬ』は、愛する婚約者との療養生活を描き、長くサナトリウム文学の白眉と目されてきました。この作品が執筆された1930年代の日本には、自然災害、疫病、そして戦争といった、現代社会にも通底するさまざまな不安が蔓延していました。そうした社会不安と呼応するかたちで、文壇では文学表現の模索が活発におこなわれました。不安定な社会を生き抜くために、文学者たちは人間を克明に描き、人間とは何か、人生とは何かを社会に問うたのです。
堀辰雄(1904-1953)もそうした作家の一人です。堀の作品には死の気配が濃密に漂っているとされていますが、実はそれ以上に力強い生命力に満ちています。堀の文学作品は、先行きの見えない現代社会に生きる私たちに、人を愛することや希望を見失わずに生きることの大切さを示し、しあわせに生きるための重要なヒントをもたらすでしょう。本展では『風立ちぬ』を基軸として、堀辰雄のことばと生活から、私たちにとっての“しあわせ”を考えます。