小田急多摩線延伸計画の概要

町田市にある鉄道駅はすべて市の外縁部に位置していることから、市内中央部においては交通手段をバスに頼っている状況であり、その路線の多くが町田駅に集中しているため、バスの定時性・速達性の確保が困難になっています。
また、町田市・相模原市域は首都圏西部の広域連携拠点として業務核都市に位置づけられており、東京都心や神奈川県内からのアクセス性が向上することで、商業・業務機能の集積性を高めるまちづくりの促進、雇用の創出、時価の上昇などの経済効果により、機能強化が図られます。
小田急多摩線の延伸が実現すると、町田・相模原都市圏の形成促進や鉄道不便地域の解消に繋がるだけではなく、都心部等への速達性の向上・乗り換え改善や地域経済・産業の活性化等にも期待されます。

小田急多摩線延伸計画とは、現在、新百合ヶ丘駅から唐木田駅まで整備・運行されている小田急多摩線を、町田市を通り、JR横浜線相模原駅・JR相模線上溝駅へ延伸する計画です。過年度の検討経緯を踏まえ、町田市内に1駅、相模原駅、上溝駅の3駅整備を前提に検討を進めています。

2000年1月に出されました、運輸政策審議会答申第18号の「東京圏における高速鉄道に関する基本計画」において、小田急多摩線の延伸は「今後整備について検討すべき路線（B路線）」に位置づけられました。

（参考）運輸政策審議会答申第18号における位置づけ
　A1　：2015年までに、開業することが適当である路線
　A2　：2015年までに、整備着手することが適当である路線
　 B　 ：今後整備について検討すべき路線

2016年4月20日に国の交通政策審議会から出されました、「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」の答申において、小田急多摩線の延伸（唐木田～相模原～上溝）は、「東京圏の都市鉄道が目指すべき姿」を実現する上で意義のある24のプロジェクトの一つとされました。
この答申は、国土交通大臣が2014年4月に、より質の高い東京圏の都市鉄道ネットワークを構築していく観点から、空港アクセスの改善、列車遅延ヘの対応、まちづくりとの連携、防災対策の強化、国際化への取り組み等を進めることが急務となっていることから、審議会へ行った諮問に対する答申です。
また、本答申の中で、小田急多摩線の延伸に係る意義、課題が示されました。答申の詳細につきましては、下記リンクをご参照ください。

町田市、相模原市では、2006年11月に「小田急多摩線延伸検討会」を設立し、鉄道事業者等の協力を得ながら小田急多摩線の延伸に向けた検討を現在まで進めてきました。
2011年には、2009・2010年度の2ヵ年をかけた、両市の共同調査（小田急多摩線延伸実現化検討調査）の結果をまとめ、これを公表しました。

2012年7月に、これまでの検討会メンバーに学識経験者、国、東京都、神奈川県、多摩市を加えた「小田急多摩線延伸計画に関する研究会」を設置し、専門的視点や関係者の意見を反映した検討を2015年度まで行ってきました。
2014年には、2012・2013年度の2ヵ年をかけた共同調査の結果をまとめ、これを公表しました。

第20回町田市・相模原市首長懇談会において、相模原市と協力して小田急多摩線延伸の取組みを進めることについて覚書を交わしました。

交通政策審議会答申で示された収支採算性の確保等の課題の整理及び延伸に関する意見交換・検討を行うため、町田市、相模原市、学識経験者、鉄道事業者、国、東京都、神奈川県等で構成する「小田急多摩線延伸に関する関係者会議」を2016年8月に新たに設置しました。
現在、小田急多摩線延伸の実現に向け、課題の解決に向けた具体的な取り組み内容について検討しています。