(仮称)まちだユニバーサル社会推進計画(第3次町田市福祉のまちづくり推進計画)(案) 概要版 市民意見募集 皆様からの御意見を募集しています。 実施期間 2022年9月15日 木曜日から2022年10月14日 金曜日必着 1章 (仮称)まちだユニバーサル社会推進計画(第3次町田市福祉のまちづくり推進計画)の考え方 1 計画策定の背景と目的 町田市では、1974年、全国に先駆けて施行した「建築物等に関する福祉環境整備要綱」や、1993年に市で独自制定した「福祉のまちづくり総合推進条例」に基づき、2012年に「第1次町田市福祉のまちづくり推進計画」、2017年に「第2次町田市福祉のまちづくり推進計画」(以下、「第2次計画」という。)を策定し、福祉のまちづくりを進めてきました。 これまでの計画では、市内の建築物、道路等の施設のバリアフリーや、高齢者、障がい者などに対する心の中の見えない壁(バリア)をなくす心のバリアフリーなど、ユニバーサルデザインの理念に基づく事業を推進してきました。その後、国は「ユニバーサル社会実現推進法」を制定し、全ての人が共生する社会である「ユニバーサル社会」という新たな社会像を定義し、その実現に向けた取組を地方公共団体に求めています。 町田市では、この社会情勢の変化を踏まえ、これまで先駆的に取り組んできた市民にとって住みやすい福祉のまちづくりを更に推し進めるため、新たな災害対策を加えた「ユニバーサル社会」を実現する本計画を策定します。 2 計画名の変更 (仮称)まちだユニバーサル社会推進計画(第3次町田市福祉のまちづくり推進計画) 「ユニバーサル社会」の実現に向け、新たに目標を設定し事業の拡充に取り組むため、「第2次計画」から「(仮称)まちだユニバーサル社会推進計画(第3次町田市福祉のまちづくり推進計画)」(以下、「ユニバ計画」という。)に計画名を変更します。 コラム ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の総合的かつ一体的な推進に関する法律(ユニバーサル社会実現推進法)(2018年12月施行) 目的 ユニバーサル社会(*1)の実現に向けた諸施策を総合的かつ一体的に推進(*2)すること。 *1 「ユニバーサル社会」とは、障がいの有無や年齢等にかかわらず、国民一人一人が社会の対等な構成員として、その尊厳が重んぜられるとともに、社会のあらゆる分野における活動に参画する機会の確保を通じてその能力を十分に発揮し、相互に人格と個性を尊重しつつ支え合いながら共生する社会をいいます。 *2 「諸施策を総合的かつ一体的な推進」とは、バリアフリー法、災害対策基本法などに基づく施策を、ユニバーサル社会の実現に向けた施策として、総合的・一体的に推進することをいいます。 3 計画の位置付け・計画の期間 2022年3月策定の「町田市基本構想・基本計画 まちだ未来づくりビジョン2040」における政策の1つとして、「ありのまま自分を表現できるまちになる」を掲げ、「一人ひとりの個性を大切にする地域をつくる」施策に「町田市福祉のまちづくり推進計画」を位置付けています。 また、2022年3月策定の「町田市地域ホッとプラン」が福祉の各分野の上位計画となり、その理念である「年齢や性別、障がいの有無等にかかわらず、自分の役割や活躍の機会を得られ、自分らしく暮らすことができる、そんなまちの実現を目指します」は、「ユニバーサル社会実現推進法」で示されている「ユニバーサル社会」の定義「障がいの有無や年齢等にかかわらず、(略)、相互に人格と個性を尊重しつつ支え合いながら共生する社会」と理念を共有しています。また、「町田市地域ホッとプラン」は、ユニバ計画の3つの推進分野を全て包含するため、ユニバ計画を「町田市地域ホッとプラン」の実行計画に位置付けて策定します。 図 PDF版には「まちだ未来づくりビジョン2040(町田市基本構想・基本計画)」の図が記載されています。 ※障がい者が受ける制限は、機能障がいのみに起因するものでなく社会における様々な障壁と相対することによって生ずるものであり、その障壁を取り除くのは社会の責務であるとする「障がいの社会モデル」 という考え方があります。この考え方を踏まえた「障害者基本法」に基づく計画として、「町田市障がい者プラン21-26」を策定しています。(「障害者差別解消法」に規定する合理的配慮に関する内容も、同計画に記載しています。) 2章 課題及び計画策定の必要性とその方向性 1 第2次計画の課題 (1)推進事業の課題 課題1 ユニバーサルデザインによる施設整備の促進 車椅子使用者対応トイレは十分な広さの確保が必要であるという意見や、バリアフリー基本構想において、施設等のハード整備のみならず、心のバリアフリー等のソフト面の取組も必要であるという意見がありました。より一層のユニバーサルデザイン化や、ハード事業にソフト対策を盛り込む新たな施策に取り組む必要があります。 課題2 心と情報のユニバーサルデザインにおける更なる周知・啓発 「移動等円滑化の促進に関する基本方針」では、心のバリアフリーという用語の認知度を約50%とする目標を定めています。市民アンケートによる町田市の心のバリアフリーの認知度は約30%台前半となっており、更なる周知・啓発が必要です。また、協議会の外部評価では、デジタル化に対応すべき意見があり、ユニバ計画においてデジタル化に係る取組が求められています。 課題3 ユニバーサルデザインの観点によるいざという時の備え 主に高齢者、障がい者及び子育て世代を対象とした市民アンケートにおいて、「災害時に不安なことは何か」の問いに対し、「避難施設での生活」が最も多い回答でした。高齢化や障がい者数が増加する中、全国的に頻発する災害に対応するため、新たに高齢者、障がい者及び子ども等に配慮したユニバーサルデザインの観点による災害対策を実施する必要があります。 (2)推進体制の課題 課題4 計画を推進する事業の広報・PR及び市民・事業者等との協働 協議会の外部評価では、「第2次計画では、町田市の各事業において、広報が弱いということが分かりました。市は取り組んでいるのに、市民に伝わっていないのではないでしょうか。次期計画にどうやって計画の推進事業を周知していくか、検討する必要があると思います。」という意見や、「一部の事業で市民参加の機会や市民意見の収集が不十分であると思います。」という意見があり、これまで以上に広報・PRや、市民・事業者等との協働に取り組んでいく必要があります。 2 第2次計画の課題から計画策定の必要性とその方向性 町田市では、「1 第2次計画の課題」に対応するため、更なるユニバーサルデザインの考え方によるハード整備、心や情報のユニバーサルデザインの普及啓発とこれまでの取組に加え、ユニバーサルデザインの災害対策、広報・PRや市民協働の推進体制を構築し、「ユニバーサル社会」を実現する新たな計画を策定する必要があります。 また、その計画策定の方向性としては、「1 第2次計画の課題」の【課題1】から【課題4】の課題に対して、【方向性1】から【方向性4】の方向性に整理します。 図 PDF版には課題1から4と、方向性1から4が図示されています。 3章 計画の未来像、目標及び方針 1 未来像 ユニバ計画では、次のまちの未来像を目指します。 「全ての人が、日常生活やいざという時などあらゆるシーンにおいて、安全・快適で、一人ひとりの人間として尊重され、いきいきと暮らすことのできる社会」 2 計画の目標 未来像の実現に向け、第2次計画の課題等を踏まえた次の目標を設定します。 1)全ての人が安心して移動や利用できる施設・都市基盤が整備されたまち 2)全ての人が情報の発信や共有ができ、互いに心の通い合うまち 3)全ての人が互いに支え合う災害に強いまち 3 目標を達成するための方針 ユニバ計画では、福祉のまちづくり総合推進条例の理念に基づく、福祉のまちづくり・ユニバーサルデザインに関する取組を着実に進めるに当たり、第2次計画からの方針を引き継ぎます。 (1)みんなで取り組む ア 市民(団体)、事業者、関係機関、市の協働による推進 イ 参加(多様な人々のニーズの把握、検討状況の情報の公開など) ウ 理念・情報の共有(多様な人々のニーズや問題点の共有など) (2)継続して進める ユニバーサル社会を実現するため、多様な人々の参加やニーズに基づき、市、関係機関、事業者等、地域のあらゆる主体と連携してスパイラルアップ(計画(Plan)、実施(Do)、評価(Check)反映(Action))を図りながら取組を進めます。 図 PDF版には「まちだユニバーサル社会推進計画(第3次町田市福祉のまちづくり推進計画)の全体像」が図示されています。 4章 ユニバーサル社会の実現に向けた取組 ~3つの推進分野と30の推進事業~ 目指すまちの未来像 全ての人が、日常生活やいざという時などあらゆるシーンにおいて、安全・快適で、一人ひとりの人間として尊重され、いきいきと暮らすことのできる社会 市民にPRして、みんなで取り組む仕組みづくり イ ユニバーサル社会推進の広報・PR ロ 市民等との協働による事業の推進 推進分野1 施設等整備のユニバーサルデザインの推進 車椅子使用者対応トイレの拡張等、より一層の施設整備に取り組みます。 また、心のバリアフリー等のソフト対策を、バリアフリー基本構想に追加し、ハード対策とソフト対策を一体的に推進します。 推進事業 1 【重点事業】バリアフリー基本構想の進行管理 2 【重点事業】福祉のまちづくり総合推進条例・適合証制度の普及啓発  3 バリアフリー、ユニバーサルデザインによる市の建築物の整備 4 ユニバーサルデザインによる市立学校の教育環境整備 5 歩道のバリアフリー改善整備(歩道整備・舗装補修) 6 放置自転車対策 7 バリアフリー、ユニバーサルデザインによる公園の整備 8 公共トイレ計画の推進 9 住宅バリアフリー化改修工事の助成・住宅改修アドバイザーの派遣 10 交通環境・地域で支える交通(移動支援)の整備 11 共同配車センターの運営 推進分野2 心と情報のユニバーサルデザインの推進 これまで以上に学校と連携した、新たな心のバリアフリーの普及・啓発を行います。 また、デジタル化に対応した情報のユニバーサルデザインについても取り組みます。 推進事業 12 【重点事業】心のバリアフリー、ユニバーサルデザインの普及啓発 13 市立小・中学校での心のバリアフリー教育の推進 14 福祉教育の実施 15 生涯学習におけるユニバーサルデザインの啓発 16 市職員の心のバリアフリー研修の実施 17 交通安全情報の発信及び交通安全学習の充実 18 【重点事業】情報のバリアフリー、ユニバーサルデザインの推進 19 手話通訳者・要約筆記者の派遣 20 「高齢者のための暮らしのてびき」及び「障がい者サービスガイドブック」の作成 21 「まちだ子育てサイト」による子育て情報の発信 22 図書館サービスのユニバーサルデザイン整備 23 「町田市バリアフリーマップ」の整備 推進分野3 災害対策のユニバーサルデザインの推進 発災時には避難施設としての機能を有する学校のバリアフリー化や、年齢や障がいのあるなしに関わらず、多くの人が利用可能な備蓄食料の整備等、ハード面のユニバーサルデザインに取り組みます。 また、避難行動要支援者の名簿の作成や、避難時に高齢者や障がい者へのサポート方法の周知等、ソフト面の災害対策にも取り組みます。 推進事業 24 【重点事業】避難施設のユニバーサルデザイン整備 25 避難行動要支援者名簿の作成 26 二次避難施設(福祉避難所)の確保 27 避難経路等のユニバーサルデザイン整備 28 避難輸送の体制整備 29 防災情報のユニバーサルデザイン整備 30 災害時における社会福祉施設等の情報共有体制整備 5章 ユニバーサル社会推進体制 以下の体制でユニバ計画を推進します。 1 町田市福祉のまちづくり推進協議会 (1) 位置付け、構成 町田市福祉のまちづくり推進協議会は、ユニバーサル社会の推進に関し調査審議するため、市長の諮問機関として設置している機関です。事業者、市民、学識経験者、関係行政機関の職員で構成しています。 (2) 役割、機能 ・計画の評価、検証 ユニバ計画の総合的な推進の観点から、計画の評価、検証を行い、課題の提示、必要な助言などを町田市に対して行います。 ・市民(ユーザー)のニーズの把握 評価、検証に当たっては、各地域における市民や事業者等と連携し、市民参加のワークショップの開催、市民(ユーザー)アンケート調査等を行うことにより、ニーズを踏まえることを基本とします。 2 庁内 各課でスパイラルアップを図り、事業改善を行います。必要に応じて関連部署と連携し事業を推進します。 福祉総務課は、町田市福祉のまちづくり推進協議会庶務及び推進事業の進捗管理を行います。 3 取組主体間のネットワークの形成 計画の着実な推進のためには、庁内組織だけでなく、市内の各主体による連携が必要となります。「市民」「団体」「事業者」「関係機関」など、各実施主体によるネットワークの形成を目指し、相互に連携、協働して、ユニバーサル社会の実現に向けた事業の推進に取り組みます。 図 PDF版では「推進体制のイメージ図」が図示されています。 以上。