6ページ 2 「心のバリアフリー」のためにできること 2ページの車いすを使っているAさんは入り口に階段しかなくて中に入れません。 イラスト1:カフェに入ろうとしているのに、カフェの出入り口に階段があり、Aさんが入れない様子。 男の子の心の声「入り口に階段しかないから入れないんだ…。」 男の子「入り口を直せばいいんじゃない?」 お店の人「そうだね。でも、今すぐには入り口を直すことができないよ。その代わり、取り外しができるスロープを用意したよ。」 また、3ページの目が見えないBさんは信号機の色が見えていないので横断歩道を渡れません。 イラスト2:交差点で困っているBさんの様子。 女の子の心の声「信号機の色が見えないから渡れないんだ!」 女の子「音が出る信号機なら、見えなくてもわかるよ。」 女の子の隣にいる大人「音が出ないときは、まわりの人が信号機の色を伝える方法があるね。」 目が見えないBさんの横にいる中学生「青になりましたよ」 Bさん「声をかけてくれてありがとう」 7ページ では、4ページの耳が聞こえないCさんについて考えてみましょう。 イラスト1:Cさんが電車から降りて、ホームでキョロキョロしています。ホームでは「運転再開まで40分かかる予定です」と放送が流れていて、まわりの人たちはスマートフォンを見るなどして、どこかへ移動しています。その様子を子どもたちが見ています。 Cさんの心の声「何があったのかな?いつ出発するのかな?」 男の子「もしかして、案内放送が聞こえていないのかな?」 ワーク Cさんに対して、自分ができることを考えてみましょう。 ●コラム 町田市役所ではどうしてる? イラスト2:窓口で、補聴器を着けた人と職員が筆談で話しています。補聴器を着けた人はスマートフォンを見せて、職員はメモ帳を見せています。 補聴器を着けた人:(スマートフォンの画面で)耳が聞こえないので、手話通訳をおねがいできますか? 職員:(メモ帳に)すみません 手話通訳者がすぐに来られません 待ちますか?または、私が筆談します 補聴器を着けた人:(スマートフォンの画面で)わかりました。筆談でおねがいします。 (注釈)筆談は15ページで説明しています。 8ページ 「障害の社会モデル」とはなんだろう? 6ページで車いすの人が階段しかないお店に来たとき、お店の人は、車いすの人にどうしたらよいか確認して、スロープを用意しました。そのあと、お店の人は「車いすの人がお店に入れないのはおかしい。車いすの人が入れないお店の方が問題だ。」と思い、入り口の階段の横にスロープをつけたそうです。 あなたは「車いすの人が入れない入り口に問題がある」というように“本人ではなく「まわりにバリアがある」ことに問題がある”と気づきましたか? つまり、“障害(バリア/障壁)は本人ではなく、まわりの環境の中にある”と考えられます。このような考え方を障害の社会モデルといいます。 誰もが暮らしやすいまち(社会)にするためには、まち(社会)のバリアをみんなで取りのぞくことが大切です。 階段のような「目に見えるバリア」を解消するには、時間やお金がかかりますが、私たち一人ひとりの声かけ、サポートで解決できる部分もたくさんあります。 例えば、7ページに出てきた耳が聞こえないCさんに対しては、ジェスチャーや筆談で伝えることができます。 イラスト1:カフェの出入り口にある階段の横にスロープが併設されており、車いす使用者のAさんはスロープを使っています。 イラスト2:耳が聞こえないCさんに対して、女性が頭の横で手をクルクルして救急車がいることを伝えるジェスチャーをしています。 イラスト3:メモ用紙に「急病人対応で止まっています」と書いています。 イラスト4:Cさんに対して、男性がスマートフォンの画面を見せています。スマートフォンの画面には「急病人対応で止まっています」と書かれています。   9ページ はじめにイラストが2点あります。 女の子「じゃあ、私たちにできることって、どんなことかな?」 男の子「声かけからはじめてみようかな」 ●声かけのポイント その1 相手の顔が見えるように移動します。(後ろから声をかけるとビックリしてしまいます。) その2 相手の顔を見て、「何かお手伝いできることはありますか?」と聞きましょう。 →目の見えない人の場合は、腕や肩などを軽くさわり、合図します。 →耳の聞こえない人の場合はマスクを外し、口の形を見せます。 まち(社会)の中には様々な人がいて、色々なコミュニケーション方法があります。 イラスト1:白杖を持っている女性に、声をかけている子ども。 ●もし、断られてしまったら… もしかしたら、「大丈夫です」と断わられてしまうかもしれません。 そのときは、「今は困っていなかったんだ!よかった~」と安心してください。 そして、また困っている人を見かけたら、声をかけてみてください。 「困っているかもしれない」と気づけることが大切です。 ●コラム 本人に声をかけましょう あなたが声をかけたい人の隣にサポートする人(家族、手話通訳者、介助者など)がいる場合があります。 話をするときは、サポートする人ではなく、声をかけたい人に向かって話しましょう。 直接その人と話せない場合でも、サポートする人と一緒にその人の思いを確認します。 本人ではなく、サポートする人と話すと、本人は無視されているように感じて嫌な気持ちになります。   以上