26ページ 5 みんなが暮らしやすいまちをつくろう 私たちが住んでいるまち(社会)の中には、子どもから大人、障がいがある人もない人も、いろいろな人が暮らしています。 町田市では、まち(社会)の中にある「バリア」をなくす取り組みを行い、みんなが暮らしやすいまちづくりを進めてきました。しかし、障がいがない人にはバリアを感じないことも、障がいがある人にはバリアとなって困ることがあります。 障がいがある人が更に「自分のしたいこと」ができるまち(社会)にするため、「町田市障がい者差別をなくし誰もがともに生きる社会づくり条例」をつくりました。 この条例では、「したいことがあるけれど、バリアがあって困っているので解決してほしい」と相談があったら、その解決方法をおたがいで話し合って「合理的配慮」をしましょう、というルールを決めています。 みんなで力を合わせて、誰もが「自分のしたいこと」ができる暮らしやすいまち(社会)を一緒につくっていきましょう。 ※条例とは市のルールや決まりのことをいいます。 イラスト1:みなさんと一緒に取り組んでいく町田市障がい者差別解消犬「ノンバリー」 ●コラム 合理的配慮ってなに?〈車いすを使っているAさんの場合〉 車いすを使っているAさんは階段しかなくて、中に入れませんでした。 そこで、Aさんはお店に入ることをあきらめず、店員さんに相談してみました。 すると、店員さんがお店の奥から取り外しができるスロープを出してきてくれました。 このように話し合い、おたがいが納得のいく方法を見つけ、その方法で行うことを「合理的配慮」といいます。 イラスト2:階段の前で困っている車いすを使っているAさんの様子。 27ページ 6 先生や保護者の方へ(用語集) 6-1 用語の説明 (1)心のバリアフリー 町田市福祉のまちづくり総合推進条例では、「心のバリアフリー」について、「心の中にある先入観、偏見等の障壁を取り除き、すべての人の存在をお互いに理解し、支え合う考え方をいう。」と定義しています。 すべての人が基本的人権を尊重され、自らの意思で行動し、あらゆる分野の活動に参加できるよう、地域社会における連携を深め、相互に協力する必要があります。 (2)「障害の社会モデル」 障がい者が日常生活又は社会生活において受ける制限は、心身の機能の障がいのみならず、社会における様々な障壁(バリア)と向き合うことによって発生するという考え方です。そのため、障壁を取り除くのは社会の責務であるとし、社会全体の問題として捉えます。 (3)合理的配慮 障がい者から、社会的障壁を取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられたときに、その実施に伴う負担が重すぎない範囲で対応することです。お互いに建設的に話し合い、納得のいく方法を見つけることが重要です。 6-2 「町田市障がい者差別をなくし誰もがともに生きる社会づくり条例」について 町田市では、年齢や性別、障がいの有無等に関わらず、誰もが身近な地域で支え合い、自分らしく生きることができる共生社会の実現を目指すため、2024年10月に「町田市障がい者差別をなくし誰もがともに生きる社会づくり条例」を施行しました。 本条例の主な特長は次の5つです。 1 不当な差別的取扱いの禁止 2 合理的な配慮 3 障がい、障がい者及び「障害の社会モデル」に対する理解促進 4 建設的対話 5 差別に関する相談体制 28ページ ●冊子の目的(ワークの目的) このハンドブックは、主に小学4年生を対象として、総合的な学習の時間における障がい者理解の学習に活用してもらうことを目的としています。 第1章では、普段は生き生きと暮らしている障がい者等が、まち(社会)の中にバリアがあることで、不平等な扱いを受けていることを知り、本来すべての人は平等であり、尊厳があることをワークを通して学びます。 第2章では、まち(社会)の中にある「バリア」を解消するために自分たちができることを考え、「障がいは本人ではなくまわりの環境の中にある=障害の社会モデル」について知ります。 第3章では、肢体不自由者や視覚障がい者、聴覚障がい者など、それぞれのニーズや特性を知り、偏見や差別をなくしていくために、自分たちができることについて考えます。 第4章では、エレベーターやトイレの適正利用に努めることや、まち(社会)の中にある障がい者等のためのマーク、補助犬の紹介を通して、よりバリアフリーを進めていくための行動について考えます。 第5章では、「町田市障がい者差別をなくし誰もがともに生きる社会づくり条例」と、「合理的配慮」について説明しています。 第6章では、子どもたちの学習を深めるため、先生や保護者向けに「心のバリアフリー」や、「障害の社会モデル」などの用語解説を行っています。 ●発行にあたって 編集・発行:町田市 町田市福祉のまちづくり推進協議会 連絡先:町田市地域福祉部福祉総務課 〒194-8520 町田市森野2-2-22 電話番号:042-724-2133 FAX 番号:050-3101-0928 編集協力:株式会社アークポイント デザイン:有限会社レゾナ イラスト:白玉社/杉野悦子 刊行物番号 (空欄) 以上