森村誠一展 「小説(ミステリ)」を生きた男の肖像(10月19日から12月22日)
森村誠一展 「小説(ミステリ)」を生きた男の肖像
1970年代まで、日本の文壇の主流を占めていたのは「純文学」であり、ミステリやSFなど娯楽性の高い作品は「大衆文学」として軽んじられてきました。それから半世紀を経た現在、大衆文学は「エンタメ」と呼ばれ、今や日本の文学・出版界の中心を成しているといって過言ではありません。
こうした戦後ミステリの黎明期にデビューし、驚異の執筆ペースと圧倒的な人気によりミステリの地位を押し上げたのが森村誠一でした。大学時代は北アルプスを中心とした登山に明け暮れ、その後、ホテルマンを約10年経験してから作家となった森村にとって「本は売れなければ意味がない」ものであり、時世を反映し、出版社や編集者の需に応え、何より読者の期待に応じて生み出した400タイトルもの作品は、まさに「作家の証明」でした。
本展は森村没後1周年に合わせて開催する回顧展です。森村が作品の中で描いた魅力的な登場人物に焦点を当て、社会の歪みや人間の欲によって引き起こされる事件に向き合う姿に迫ります。また、作家は時代を写す存在だと語り、自らの老いまでも赤裸々に綴り亡くなる直前まで「小説家」でありたいと願ったその実像に迫ります。
会期
2024年10月19日(土曜日)から12月22日(日曜日)午前10時から午後5時
関連グッズの販売は午後4時45分まで
休館日
月曜日(ただし、11月4日は開館)、11月14日(木曜日)、12月12日(木曜日)
観覧料
- 一般:600円
- 高・大学生:300円
- 中学生以下:無料
ただし、10月19日(土曜日)、10月27日(日曜日)、11月3日(日曜日)は観覧無料
主催
町田市民文学館ことばらんど
協力
公益財団法人 角川文化振興財団
幻冬舎
プロフィール
森村 誠一 / 1933-2023 / 小説家
撮影 タカオカ邦彦
埼玉県熊谷市出身
青山学院大学文学部英米文学科卒
大学卒業後はホテルマンとして勤務する傍ら、サラリーマン向けのエッセイを執筆したことを契機に小説家を志す。1969年、初めて手掛けた推理小説『高層の死角』で第15回江戸川乱歩賞を、次いで73年には『腐蝕の構造』で第26回日本推理作家協会賞を受賞した。高度経済成長期を背景に、大きな野望を成し遂げようとする冷たく打算的なエリートを主人公とした都会的な作風で人気を得る。76年、角川春樹の依頼で執筆した『人間の証明』は映像化の影響もあり770万部を超えるベストセラーとなった。83年以降は『忠臣蔵』など歴史・時代小説も手掛け、 2004年に第7回 日本ミステリー文学大賞、2011年には時代小説『悪道』で第45回吉川英治文学賞を受賞。99年以降、「小説講座山村教室」の名誉塾長として小説家を目指す後進の指導にも尽力した。趣味の散歩と写真に俳句を組み合わせた「写真俳句」を提唱し、「新・おくのほそ道写真俳句紀行」(2008年~)をスタートさせるなど幅広く活躍。2023年7月24日、90年の生涯を閉じた。
関連イベント
講演会「角川映画、メディアミックス時代の夜明け」(11月2日)
座談会「森村誠一のいた1970から1980年代 角川文化をめぐって」(11月4日)
森村誠一展 展示解説(10月20日、11月24日、12月22日)
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